1DAYワークショップに来てみませんか?(5)~どうしてテーマがないの?の種明かし~



1DAYワークショップはいつものワークショップよりも早く、朝10時にスタートします。
もちろん、10時ぴったりに始まることはなく、すでに来られた方が緊張した面持ちで着席されていたり、すでに常連と思しき面々が旧交を温めていたり、そんな様子を、ちょっとドキドキしながら眺めています。

そして、そろそろかな?と思ったとき、皆さんの前に出て行って、まずは、心をほぐすためのレクチャーを始めます。

その内容は、大方、その場で、決めることにしています。


皆さんの表情を見ながら、すごく怖れが強いな、不安がってるのかな?と感じたら、怖れに関するレクチャーを始めます。

「大丈夫ですよ、そのままでいてくださいね。新しいものに飛び込むとき、しかも、それが何なのか分からないとき、私達はこの怖れを強く感じるんです。だから、怖れを感じている皆さんは新しいプロセスに足を踏み入れたって証なんです。そもそも、不安や怖れというのは私達にとってはとてもプリミティブ(原初的)な感情で、お母さんのお腹の中から生まれ出る時から感じ始めている感情と言われています。・・・」

皆さんを見回したときに、きちんと知りたい、学びたい、という気持ちが強い方が多いかな?と感じたときはこんな風に切り出すでしょう。

あるいは、そうではなく、心の痛みか何かから、とかく感情的な怖れが出ているな、と感じたら、

「今、皆さん、すごく怖いでしょう?怖いときって、自分ひとりだけが・・・って感じやすいものなんです。今正直怖いなあ・・・って感じてる方、ちょっと手を上げてみてくれますか?で、そのまま左右を見回してみてください。ほら、みんな怖いんです。だからというわけではないんですが、そのまま、怖いままでいてみてください。怖いよう、怖いよう、とただ、そう思っていてください。それを何とかしようとしなくてもいいんです。感情ってそうして感じているだけでいいんです。でも、一つだけ明るいニュースがあるとすれば、少なくても怖いと感じてらっしゃる方は自分からは逃げてないんですよ。」

なんて話をするでしょう。(もちろん、ここに書いたのは今の私の言葉です)

そして、話をしているうちに、自己嫌悪が強いなあ、自分を責めてる方がいっぱいいるなあ、と感じたら、

「何に対しても、風が吹いても、桶屋が喜んでも、自己嫌悪する人って『すいません。私が悪いんです』という生き方をしてしまうんです。でも、それはね、他人のことを考えてる、いい人だけ、優しい人だけが思うことなんです。あ、でも、今『私はそんなん違うもん』って思ったでしょう?そう、そう感じるものなんです。だって『私ってすごくいい人じゃん!』って言う人はちょっと嫌味でしょう?だから、なかなかそうは思えないんです。でも、そこまでは思えなくてもいいので、ちょっとだけでも『私ってそんなに悪いひとじゃないかもしれない』って思ってみてください。そうすると、少しだけ心が許されて、心が軽くなるかもしれません。でも、その3秒後にやっぱり『私が悪いんです』となりますけど(笑)自己嫌悪ってね、それは凄く辛いことなんだけど、悪いことではないんですよ。実はとても大切なものなんです。ただ、程度の問題で・・・」

なんて風に話をするかもしれません。

大抵、立ち上がりのレクチャーでは、数分に1度の割合でギャグを繰り出すのですが、今の時期の受験生には聞かせられないくらい見事に滑ることが多いです。
まだまだ、この辺は修行中というか、似非関西人の悲しいところなのですが、そんな中でもくすっとか、にこっととか笑ってくれると凄く私としては救われるんです。

それで、寒いギャグを飛ばしたり、熱いシモネタで皆さんを引かせたりしながら、徐々にその表情が温まっていくのを感じて、その日の流れを決めていくんです。

時に受講生の皆さんに質問したりしつつ、また、色んな話をしながら当たり(反応)を見たりしながら、ああ、今日は大体こんな感じのテーマなんだな、というのが決まっていくんですね。

例えば、レクチャーをしていると、同じ自己嫌悪でも、無価値感系にはあまり反応がないのに、罪悪感系の話をすると、皆さんがうんうんと頷いてくださったりするんですね。
そしたら、罪悪感にも色々あるので、自分が何かしちゃったな、という感覚や、逆にすべきことをしなかった、という感覚についての話をしていくんです。

もちろん、みんなが頷くわけではなく、無価値感の話でも多少反応があれば、罪悪感のレクチャーをしつつも、時折無価値感の話を織り交ぜます。

そうして、ああ、今日はなんだか『何もできない自分を許し、ベストを尽くして誰かを愛する日』にすると、すごく効果があるんじゃないかな?と考えていくんです。

ちょっと種明かしを進めると、罪悪感というのは与えたい人が感じるネガティブな感情です。
だから、本来与えられるのに、それができなかった・・・と責めてるのが、ここでの罪悪感なんです。
だから、本来自分が与えたいように、与えられる範囲で、相手にために与えてみよう・・・という風に目標を定めることができるんです。
それをきれいに言い換えると、「ベストを尽くして誰かを愛しましょう」となるんですね。

で、そう言う風に話を進めていくと、皆さんの食いつきというか、反応がとても良くなっていくんです。
そうして「ああ、このテーマでいいんだな」と思えば、その後の実習のテーマにそれを据えていくんです。

で、グループワークとしては「愛してる人にきちんと愛情を伝えよう」というセッションを考えたりするんですね。

ここまでの流れがきちんとしていればいるほど、このグループワークは心にヒットし、深い癒しを作るきっかけを与えてくれます。
自然と心が開き、愛が溢れ、そして、感謝の気持ちも湧き上がってくるかもしれません。

もちろん、こんなきれいに進むわけではありませんが、常にトレーナーとしては「どうなん?どうなん?」と冷や汗をかきながら、でも、その状況を楽しみながら、この次に進む道を見極めていくんですね。

こんな風にグループセラピー『1DAYワークショップ』は作られていくんです。
だから、毎回テーマが変われば、アプローチする角度も変わっていくわけです。

通常の心理学ワークショップと違ってテーマを定めないのは、こうして集まった皆さんによって内容を変え、参加してくださった一人ひとりの皆さんにフィットしたセラピーを作っていくためなのです。

そして、1DAYワークショップでは、「個人セッション」といって、希望して手を挙げてくださった方の個人的な問題を扱う時間を作ります。
それは普通のカウンセリングのように進んでいくのですが、ここで「私には関係のない他人事の話だわ」なんて思っていると要注意。

男性の受講生が話をしてくれてるのを何気なく聞いていたら、それがそのまま「あ、うちの彼氏と同じようなこと言ってる」って思えたり、あるいは「この人は男性だけど、何かあたしと凄く気持ちが近いところがある」って気付けたり、油断がなりません。
自分はそこに座って、その人がカウンセリングやセラピーで癒されていく場面を見ているだけなのに、なぜか、共鳴し、共感し、胸に熱いものがこみ上げることも少なくないはず。

実は、これがグループワークの最大の特徴で、自分自身が頑張らなくても、他の人の意見や話を聞いていたり、その人の心が癒されている現場に立ち会うことで、まるで、映画や舞台を見たときのような、あるいは、それ以上の臨場感で自分の心も癒されていくのです。

だから、ずっと一日座って話を聞いていただけで、グループワーク以外は特に何かしたわけではないんだけど、不思議と心がすっきりして、癒された・・・と言う声をよくお聞きするのです。

もちろん、積極的に参加される方は個人セッションも受けられるし、みんなのサポートを直接受けられるし、それ相応のギフトを受け取っていらっしゃいます。

そんな個人セッションはまったく同じ人生を歩んでいる人がいないように、毎回違ったプロセスになりますから、これもまた以前とまったく同じということはないんです。

1DAYワークショップの中で、特に最後の方に、私はよく、こんな話をさせて頂くんです。
「今回、ここに集まってくれた、このメンバーでセミナーをするのはおそらく一生で一度のことです。同じような顔ぶれのときはあったとしても、まったく同じということはきっとあり得ないでしょう。だから、ここで繰り広げられる一つ一つの実習、一つ一つのセッション、プロセスもまた二度とないものであり、だから、ここで作られる雰囲気は、皆さんだけが知っている今回限りの空気なのです。それゆえに、とても大切なものなんだと感じ、すごく感謝の気持ちが沸いてきて、今を大切にしようと、また思いなおすことができるのです。」

こんな風に、こんな思いでセミナーを作らせて頂いています。

・・・けっこうマジメに書いてきましたが、意外なほどに笑いもあります。(今更書いても説得力ないか(笑))

そんな1DAYワークショップにいらっしゃいませんか?

私は3月に名古屋、東京で開催させて頂きます。

【名古屋1DAYワークショップ】

日時:3/8(土)10:00-20:00
場所:金山・名古屋都市センター
料金:\21,000-
ゲスト:池尾昌紀木村祥典

お申込はこちらのフォームから。

【東京1DAYワークショップ】

日時:3/16(日)10:00-20:00
場所:五反田・ゆうぽうと
料金:\21,000-
ゲスト:赤松わこ,阿部純也,近藤あきとし,斉藤亜紀,田島隆男,土肥幸司,渡辺晴美

お申込はこちらのフォームから。

なお、大阪では3/9(日)に原裕輝が江坂にて1DAYワークショップを開催します。


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