*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*
何か心に痛いことがあって傷ついてしまったり、
自信を失って、全然未来が見えなくなったり、
そして、不安や怖れに包まれてしまったり。
そういう時、私達はつい、俯き加減で人生を歩いてしまいます。
時には「あの時こうすれば良かったんじゃないか?」とか「あの時代に戻りたい」といった、すっかり後ろを向いてしまうことだってあるでしょう。
そういうとき、前向きになろうとすることはいいのですが、前向きにならなきゃ、はとても危険なのです。
特に頑張りやさんな方は、前向きじゃない自分を否定し、前向きになれない自分を責め、そして、さらにムチを一発、二発と入れて無理に前を向かそうとしてしまうかもしれません。
それでは逆効果。ますます痛い結果を招きます。
前向きになれないには、それなりの事情があることを忘れてはいけません。
まずは、しっかり足元を見つめてみます。
すなわち、
自分は今、どんな気持ちなんだろう?
どんな状態なんだろう?
どこに向かいたいんだろう?
それは本当の気持ちだろうか?
といった、自分と向き合う、自分の心をしっかり見つめる時間を作ること。
そこで焦りがやってきても惑わされないように、それでいいんだ、今は自分を見つめればいいんだ、とはっきり焦りを拒絶しましょう。
そんなことやって本当に大丈夫なのか?と疑心暗鬼になったら、「うん、大丈夫よ」と信じてみてください。
そうして心をじっくり見つめてあげると、心は不思議な平安に包まれてくるようになります。
すっとホッとして、肩の力が抜けて、息が出来るような感覚。
なぜか?
それは傷ついたり、自信がなかったり、怖れでいっぱいだったり・・・例え、今がすごく苦しかったとしても、それは自分の心の中で起きている世界だからです。
そこで、外に意識を向けるということは、傷ついた体を無視して誰かの元に歩み寄ろうとするようなもの。それはとても危険なことですよね。
そこで自分の心、痛んでいる心を見つめてあげることは、傷ついた心をしっかり抱きとめて癒してあげる行為になるのです。
自分の心をしっかり守ってあげる行為になるんです。
実は私達の心は放っておけば、勝手に前を向くようにできています。
それが自然な状態なのです。
多少猫背だったりしても、歩こうと思えば、自然と体が前を向くように。
でも、体に傷を負っていれば、歩けないし、動けません。
心も、同じ。
心との繋がりを得て、そして、心を癒してあげようと意識を持てば、それは、すなわち、前を向く準備を始めたということです。
自分を責めていたり、嫌悪してしまったり、気がつけばそんな罠にはまっていたとしても大丈夫。
そこで傷ついた痛みをしっかり見つめてあげるのです。
前向きになりたい・・・と思ったら、まず、心に聞いてみてください。
「前向きにならなきゃって焦ってない?無理してない?ほらほら、そういう言い訳はますます自分の首を締め付けるじゃん。ね、本音を聞かせてよ。しんどくない?大丈夫?じゃあ、そのまましばらくそこに居ようよ。後は勝手に動き出すんだってさ。気の長い話かもしれないけれど、ま、そういうもんらしいよ」