「悲劇のヒロインになってしまっている時」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

ショックなできごとがあったり、自分がひどく苦しくて周りが見えなかったりすると、私達は「悲劇のヒロイン」になってしまいます。
(ヒロインではなく、ヒーローであることも少なくありません)


ネガティブなストーリーを仕立て、被害者になり、誰かを加害者にする。
そして、自分が世界でもっとも不幸であるかのように感じてしまう。
時には誰かれ構わず、それを話し、同意、共感を得ようとします。
もし、同意してもらえなければ、さらに被害者ストーリーは膨み、ますます悲劇のヒロイン性を高めてしまいます。

分かっていても、これは癖になるとなかなかやめられません。
自分ではその自覚がなくても、この物語はけっこう自己陶酔ができるんです。

そして、何より、悲劇のヒロインは、ヒロインであるが故に、何もしなくて良いのです。
現況を嘆いていれば、不幸を呪っていれば、誰かが助けてくれるはず・・・という淡い期待があったりします。
あるいは、その状況を用いて、誰かに復讐を企てているのです。
「あたしがこうなったのはあなたのせいよ」と。

だから、この点では、悲劇のヒロインを手放すことは強い抵抗を感じるのです。
どう生きていけばいいのか、これからどう過ごせばいいのか、皆目検討がつかないから。

このパターンは私達の心の“依存心”のシンボルだからです。

だから、ここを抜け出すためには“自立”が求められます。
悲劇を喜劇に変えるだけのシナリオ力をつける必要があります。

実は悲劇の多くは、喜劇に置き換えられます。
多くの芸人がネタにするのは、自分自身の悲惨な過去や現在だったりしますよね?

もし、あなたが悲劇のヒロインにはまってしまったと気付いたら、こう考え直してみてください。
このストーリーをどうしたら、喜劇に書き換えられるだろうか?
勇気は必要ですが、白馬に乗った王子様をただ待つよりも、ずっと効果的なアプローチです。

心の処方箋


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