1/7 東京・心理学WSのフォローアップ(2)



(1)に引き続き、<質問・疑問>にお答えします。
その後、<ご感想・ご意見>紹介です!


Q.異性に対して、自分と同じ(似ている)と思って魅力を感じる場合と、自分にはないものを持っていると魅力を感じる場合とありますが、その違いはどこから生じるのでしょうか?

A.どちらも現実にあるもので、前者は「類似性」、後者は「相補性」と言われるもので、定義上は分類されます。
自分と同じ、似ていると感じると、人は安心感を覚えます。
それが魅力として感じられるのが類似性の法則です。
または自分とは違うもの(自分には無いもの)に対しては刺激が強いので、興味や好奇心を持ち、それが魅力的に感じられると、それが相補性の法則(無いものを補い合う法則)となります。

その違いが出るのは自分の心の状態も大きく左右されると思います。
例えば、失恋した後ですごくショックで傷ついている状態では、不安や怖れが強く、自信を失っていますから安心感を与えられるとその人に魅力を感じやすいです。
(振られた後に優しくされて好きになってしまう・・・など)

逆に元気な時はポジティブになって色々とチャレンジしたいですから、違うものに魅力を感じて飛び込んでいきたくなります。
そういう時は安心感よりも刺激の方がワクワク感が強いので、自分とは逆のタイプに惹かれやすいと思うのです。

ただ、長い目で見るとその両方の要素が必要なようで、
「傷ついて元気がないときに優しくしてもらって安心感いっぱいで付き合い始めたのに、自分が復活してきたら、その優しさが退屈に思えて刺激的な人を好きになっちゃった」
ということが良くありますね。

Q.相手が向き合う事に逃げ腰になっているとき、どのように対応したらよいでしょうか?

A.自分は向き合いたいのに相手はこっちを向いてくれない・・・そんな風に感じられることって意外に良くあるものかもしれません。
そういう時は、大きく二つの見方をしてみることをお勧めすることが多いです。

一つ目は、「自分が目を逸らしてないか?自分が向き合えないんじゃないか?」という点。
これは「まさか・・・そんなことはないはず」と思うのですが、カウンセリングやセラピーなどで内面を見つめていくと、意外に多く出てきます。
これは「向き合うことは怖いけれど、いい関係を築きたいのでがんばっている」時に良く起きます。

向き合うというのは結構勇気が要ります。
今回実習でチャレンジしてもらいましたが、気疲れしたり、無理に頑張ったりしてしまうことが多く、なかなか素の自分で向き合うのは難しいのです。

向き合うと人は内心怖れを感じます。
ですから、できるだけ避けて通りたい気持ちになることが多いんですね。
(そこで「関係を良くしたい!」とがんばると無理が働いて、それだけで疲れます)

そういう時は「彼に伝えたい事は?」と自分に聞いてみるといいでしょう。
もし、そこで「私のことをどう思っているのか聞きたい」などの欲求(~して欲しい)が出てきたら、実は「私は向き合う事が怖いので、お願いだからこちらに合わせて下さい」と依存的な態度を取ってしまっているのかもしれません。
自分が相手にとって重たくないか?プレッシャーを与えることをしてないか?をチェックしてみることが大事です。
そして、彼と向き合おうとする前に、まずは自分自身と向き合ってみることをお勧めします!

もう一つは、相手に準備ができていない場合。
向き合うというのは怖れがあって、勇気がいる行為。
だから、大切と分かっていても、なかなか行動が伴いにくいものです。
特に自信が無かったり、自己嫌悪していたり、罪悪感があったり、無力感を感じていたり、ネガティブな感情に支配されているときは、向き合うことはまるで裁かれるような感じや攻撃されるような感じになってしまいます。

今向き合う事が相手にとってはどんな気持ちを想起させるのかを考えてみてはいかがでしょうか?
相手の気持ちや状態を受け入れ、認め、許してあげる良い実習になるはずです。

そして、自分自身は、相手に準備ができ、行動が起こせるまで、じっくり待ってあげられる余裕や自信、器の広さを持つことを目標にしてみましょう。
それはいつやってくるか分からない時を待つことですから、とても忍耐力が要りますし、かつ、包容力も必要ですね。
より自分がパワーアップ、バージョンアップするときだと思ってチャレンジしてみましょう!

Q.相手との距離をこちらから縮めようとしても、相手に問題がある場合はどうすれば良いのでしょうか?

A.そうすると葛藤したり、イライラしたり、相手を攻撃したりしたくなってしまいそうですね。

心情的に難しいところですが、距離を縮めるのはお互いの「合意」があって初めて成り立ちます。
だから、相手に問題がある、と言うことは、相手にはその準備や覚悟ができていないということで、残念ながらアンマッチな状態です。
(状況によっては「距離を縮めたい」という私の気持ちは、相手からすれば迷惑なこと、重たい事に感じられてしまう場合もありますし、客観的にはエゴ、我がままに見えることもありますので、注意が必要ですね!)

そこでは上のQでもお答えしたように、相手を待ってあげる器の広さや忍耐力が要りますし、相手がその問題を解決できるようにサポートしてあげることが大事です。
そのサポートというのも、直接関わってできるものとは限りません。
遠くから成功や幸せを祈ってあげることだって立派なサポートです。

少し厳しい見方をすると「相手の問題を使って、自分を成長させない」という罠にはまらないように注意したいですね。
「相手に問題あるから」という理由で、私達は自分の成長を疎かにしてしまうときがあるんですね(特に夫婦の問題にはよく出てきます)。
そこは「相手は相手、自分は自分」と知り、自分自身の成長に意識を向けることが求められています。

Q.気付いた事を実行しようとしても続かない。見方を変えようとしても三日坊主。継続するコツを知りたい。

A.新しい価値観や物の見方を取り入れるには時間と勇気と意欲などが大切ですね。
時によっては癖を直すような根気が必要な場合もありますから、なかなか続きにくいものだと思ってください。

まずは、実行する目的・目標について自分自身との対話がとても大切です。
そう書くととてもかっこいいことのように聞こえますが、現実的には「変わろうよ!」と言ってる自分と「変わりたくない」と言ってる自分を和解させることなんですね。
それはまるで心の中に二人の自分がいて、その二人を宥めながら、励ましながら、時には叱咤激励しながら折り合いをつけていく作業で、実に地味で、根気のいるものです。

だから、目的・目標がきちんと定まり、モチベーションが十分でないと、なかなか続きにくいんですね。

それと半年、1年という長期的な視野がどうしても必要だと思うんです。
3日坊主というように新しいことを始めても、なかなかそれに慣れないので、3日くらいで頓挫してしまいやすいんですね。
そういう時は4日目にもう一度出発することが大切です。
そこで「ま、いいか・・・」と諦めてしまうとすれば、本当にやりたくないことだったり、まだ心の準備ができていないことを始めてしまったのかもしれません。
(そこで自分を責めないことがほんとうに大切です)

そして、やはり心の余裕が必要です。
新しいものを受け入れるだけのスペースが心になければ、やはりはみ出してしまい、続きにくいでしょう。
新しいテレビを購入しても置く場所がなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
自分にそうした余裕があるのか、チェックしておくことと、心に余裕を持つべく、休みを取ったり、好きなことをしたりすることがとても大事です。

Q.パートナーシップで価値観の押し付け合いにならないで済む方法を教えてください

A.私達はみんな様々な価値観を無意識的に取り込んでいます。
だから、パートナーとは良い関係を築きたいがために、良かれと思って自分の価値観を押し付けてしまうことも少なからず出てきます。
場合によっては相手が望まないのに、結果的に価値観を押し付ける事になり、別れなければいけなくなってしまうことだって出てきます。

逆に怖れから相手を支配したくて、コントロールしたくて自分の価値観を押し付けてしまう場合もあります。
こういう時は、高圧的だったり、強引だったりして、ぜんぜんこちらの気持ちを考えてくれないように感じてしまいますが、それは相手がほんとうに怖れでいっぱいだからなんですね。
そこを見落としてしまうと、お互いに「主導権争い」を続けてしまいます。

価値観が違ったときは、まずは勝ち負けではないことを認めてみましょう。
それはお互いにとって良いものを選べるように、まずは相手に対して白旗を振ることです。
そこでは相手がまるで勝利者のような態度を取るときもあって、実はとても惨めな、屈辱的な感覚がするものです。
でも、無駄な主導権争いをしないためには、その惨めさは相手のためにも感じておく必要があるものです。

それは相手の価値観を全面的に受け入れようとする態度で、大きな器量と勇気と強い意志(覚悟)が必要ですね。

だから、無理してしまっては意味がないので、チャレンジしようと思える余裕があるときにやってみましょう。
時にはそんな余裕が生まれる前に、問題としてやってきてしまう場合もありますが・・・。

そうして、相手がなぜその価値観を主張するのか?を理解し、受け入れてあげようと思ってください。
そこでは相手の人生観や過去の生き方が自然と出てきますから、相手をより深く理解する行為にもなります。

価値観を押し付けあうときは、相手の価値観を自分が否定している状況なんですね。
(相手にとっても同じですが)
だから、相手の価値観を否定せずに受け入れる態度はほんとうに大切なことなんです。

でも、そこで無理に我慢したり、がんばりすぎると後でツケが廻ってきますから、マイペース、自分の状態をよく見ながら行うことが大事です。
いわば、相手の価値観を受け入れるというのは、山盛りのカレーライスを平らげるに等しい行為です。
お腹が空いていなかったら、見るだけで気持ち悪くなりますし、お腹が空いていても、ゆっくり食べないと残してしまいます。

「自分ばかりが何でしなきゃならないの!」
と憤りを感じ、被害者モードになってしまうこともありますが、それこそが大きな罠です。
そういう時は仮に相手ががんばっていたとしても、それが見えません。
謙虚さを取り戻すときですし、改めて相手の価値観を受け入れようと再度チャレンジするときです。

そうして自分自身が新しい世界に飛び込んだ分だけ、リターンもとても大きいんですね。
まずは自分の大きな成長です。
(これは意識しないとなかなか受け取れませんので要注意!)
すごく大人になったり、器が大きくなったり、懐が深くなったりします。
それは表面的には大人な雰囲気、柔らかい、温かい、何でも受け入れてもらえそう、自由な感じ、オープンな感じなどを人に与えることができます。
(これもなかなか気付きくいものですが)

そんな風により良い関係を築く基礎ができますから、価値観が衝突した時には、ちょっと勇気を出して、相手を受け入れてあげてほしいな、と思います。

<感想・ご意見など>

○疑問に思っていたことが分かった。
○バディワーク(ペアになって実習すること)が良かった
○具体例を取り混ぜた解説を目と耳で聴けたのが良かったです。
○恋愛の話が多かった。もっとビジネス的な話を期待していた。
○実例があって良かった。
○(質問コーナーで)手を挙げたら当てていただけて嬉しかったです。
○疲れたけれどバディワークはもっとあってもいいと思った。
○色んな例を挙げてくださるので分かりやすかったです。
○話が面白かった。ワークも楽しかった。
○お友達ができて楽しかったです。
○人と向き合って話をする機会が日常ではあまりないので、自分がどきどきしたり照れてしまったりしている反応がとてもよく実感できました。
○初めてお会いした根本さんは「落語家」さんみたいで楽しかったです。
○悩むことは悪いことばかりではないんだと気付けてよかったです。
○自分の意外な価値を認めてもらって嬉しかった
○他の人の感じていることからヒントをもらえた
○バディワークだけでなく、他の人との話がしてみたかった
○Q&Aの回答で、思いも拠らなかった話や気付きがたくさんあって、参加してよかったと思いました。
○とても分かりやすく、話し方も穏やかで柔らかかったため、非常に親密感を感じた
○実習が多かったので、気付きが多かった。
○レクチャーが多く、もっと体感できるワークを入れて欲しかった。
○家族や恋人の内容が多かったので、職場についてのパートナーシップについてもう少しあれば良かったです。
○色々なパターンの話の中で自分の問題点が見つかり、自分を見つめなおせてよかったです。
○全体的にほんわかした雰囲気で、癒しの時間という感じでした。
○初めて参加させていただいたのですがとても楽しかったです。
○自分が気付かなかった面を見ることができたような気がします。
○人見知りなのでドキドキして疲れましたが、家庭で仕事場で役立てて行きたいと思います。
○新しい価値観に触れられました。自己分析を違う角度で深められそうです。
○負担やプレッシャーがなく、気楽に参加できました。

以上です。
ありがとうございました!!

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