苦しいときに・・・2



父の日の今日はとても風が強くて、爽やかな一日でした。
日がとても長く、カウンセリングを終えた後もまだ明るい日差しの中、とことこ普通に歩く1歳3ヶ月の乳児と一緒にお茶しに行きました。
この季節に感謝したくなる一日でした。

しかし、子どもの成長は恐ろしく早いですね・・・。


* * *

生きていく上では何度か得たいの知れない苦しみに見舞われるときがあります。
それはまるで真冬の中であり、じめじめしたうっとおしい雨季のようでもあります。

その苦しみの中では、実は何かが産まれようとしています。
新しい自分自身が芽生えようとしているような感じです。

真っ暗な土の中で、じっと発芽の時を待つ種子のような、そんな時もあるでしょう。
周りが何も見えず、ただじっとして時を待つだけ。
一日がとても長く感じて、カレンダーを見つめても一向に日が過ぎないような時期もあります。

でも、その間にたくさんの力を溜め込んでいるのです。
気付かないうちにたくさんの養分を蓄え、成長しても十分生きていけるくらいのパワーを得ています。
苦しい中、見聞きする一つ一つが糧になり、そして新しい自分の血肉となります。

それは実感を伴うものではないかもしれません。
周りは暗いままで光なんて見えません。

もし、仮に芽が出たとしても最初は土の中です。
でも、もう少し待てば光の中に顔を出すことができます。

諦めないで下さいね。

時が来れば、自然と光を感じることができます。

カウンセリングやセラピーというのは、時間を短縮する効果があると思います。
普通なら1年かかるところを半年で済ませたり、半年かかるものを4ヶ月で流したり。
その分、濃い時間を過ごすかもしれませんが、でも、ゼロにすることが目的ではないと思います。

カウンセリングやセラピーを続けていくと、心の中に封印されていた感情が滲み出てくることがあります。
それは長年積み重ねてきた垢を落とすようなプロセスで、一度洗ってもなかなかきれいにならず、何度も何度も磨くことでピカピカした心を取り戻していきます。

でも、実は一番怖いのはその後かもしれません。
苦しみが強い分だけ、その後に生まれる新しい自分はとても魅力的で輝いています。
自分が望むこと以上のものが続けて起こる好循環ループは、憧れるけど、実はとても怖いものです。
自分がどうなっていくのか、分からないですから。

美しい花を咲かせ、美味しい蜜を生み出すと、かっこいいカブトムシ君や美しい蝶ばかりがやってくるわけではありません。
ハエや蚊、蛾やアブラムシなど、望まない何かもやってくるものです。

でも、そこで花を閉じてしまったら、きれいなアゲハ蝶も通り過ぎてしまうでしょう。

種子の時代を終え、日に日に成長し、花を咲かせたときにも実はそんな落とし穴があるものです。


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