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私たちの心の成長プロセスは「依存→自立→相互依存」という段階を踏みます。
だから、依存の人には自立しろ、と言い、自立の人には相互依存を目指せ、と言うのです。
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いつも先生がおっしゃっている、「依存→自立を目指す。」
と矛盾しているような気がします。
同じ自立でも意味合いが違うのでしょうか?
教えていただけると、嬉しいです。
(Yさん)
こういう心理学的な質問を頂くとついつい取り上げてしまう私です。
以前からブログをお読みの方にとっては復習になるかもしれませんね。
ベテランの皆さん、このYさんのご質問にさらっと答えられますか?(笑)
なお、Yさんがおっしゃる今日の課題というのは
>http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/20986
こちらの記事を指してのことかと思います。
さて、そもそも私たちの心の成長プロセスというのがあります。
そこでは、始めは「依存」からスタートし、そして「自立」していきます。
ちなみのこの「依存」も「自立」も心の状態のことです。
何か問題が起こるとたいてい私たちは「依存心」が疼きます。
それまで自立的だった人も、その問題を機に「依存」に突き落とされることがよくあることで、
「旦那に離婚を切り出されました。それまでは旦那を尻に敷き、顎で使い、その愛情に胡座をかきまくってきたのですが、今は離婚したくない気持ちでいっぱいで不安になっています。旦那の言動にいちいち振り回されてます。」
なんて事例が分かりやすいと思います。
問題が起こることで「自立→依存」へと突き落とされてしまったわけです。
また、新しいことを始めるとき、新しい関係性が始まったときもまた依存から始まります。
「やりたい仕事をやれるチャンスを掴んでこの会社に転職した来たのですが、今までと勝手が違い過ぎて右往左往しています。周りの人たちもすごく仕事ができる人ばっかりで委縮してしまってるんです。これからちゃんとここでやっていけるのか自信がなくなってしまいました。」
みたいな感じですね。
恋愛で言えば、恋の始まりの頃によくある「不安、怖れ、心配、自信のなさ」なども依存の証です。
ちょっと纏めますと依存というのは次のような状態のことです
・自信がない
・不安や怖れなどのネガティブな感情をびしびし感じる
・先が見えない
・周りの言動に振り回される
・自分がない感じがする
・誰かに何とかしてほしい思いがある
・誰かに一緒にしてもらわないと落ち着かない
みたいな感じです。
これは誰にでもありますよね。
で、私たちは生まれたときも、何か新しいことを始めるときも、問題が起きたときも、まずは、この状態からスタートするんです。
だから依存というのが必ずしも悪いわけではありません。
ただ、依存状態というのは確実に他人軸ですし、自己肯定感も低く、そして、誰かに頼らないといけない状態です。
それだと人生の主人公を誰かに受け渡してしまうことになるので、
>「依存→自立を目指す。」
ということをお話しするわけです。
「誰かに幸せにしてほしい?舐めたこと言いなさんな。自分を幸せにするのは自分自身なんじゃ!」という感じで、自立を促すことを提案します。
とはいえ、傷ついたばかりだったり、今までの頑張りが過ぎて壊れちゃったような場合には、「頑張れ!」というのは酷ですし、そういう人はそういうときも頑張ろうとするので、「今はそれはあきませんで。一旦、休みましょうや。それで自分自身をちゃんと見つめ直しましょうや」とか「自分を受け入れましょうぜ」とか「姐さん、そんなに自分を責めたらいけませんぜ」という話です。
で、それを過ぎた頃からは「さ、頑張りましょう」ってことだし、今できることを見つけてそれをやって自分軸を取り戻しなさい!自立しましょう!というわけです。
とはいえ、それは元気を回復するため、自分を取り戻すための一時的な措置で、依存状態では苦しいことに変わりはないので「自立を目指す」のは大切なことだと思ってます。
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さて、そうして依存時代から頑張って自立をしていくのですが、この自立というのはそういう意味でポジティブな面とネガティブな面が含まれています。
ポジティブな面というのは、
・主体的に行動ができる
・誰かに頼らず自分で解決できる
・自分で考えることができる
・自分なりの価値観をしっかりもっている
・自分がある
といったところでしょうか。
これらはとても大切なことですが、実はそこにネガティブな面もやはり存在します。
そもそも自立していくプロセスでは依存時代の苦しさがあるので、依存時代に傷ついた分だけ自立度が高くなります。
また、依存時代に辛い思いをした分だけ、一人で頑張りすぎます。つまり、誰かをアテにできず、一人で全部を抱え込もうとするのです。
また、「自分がある」「自分なりの価値観を持つ」というのは、いい面もある一方で、「頑固」「自分のやり方にこだわる」「正しさを主張する」「相手を否定的に攻撃する」などの面も生まれます。
さらには、かつて依存時代の苦しみを知ってる分だけ、二度とそんな辛い思いをしたくない、と頑ななまでに「正しさの主張」を繰り返したり、「負けてたまるものか」と競争心が強くなります。
そして、だんだん孤独感が強まって行って、一人ぼっちになります。
また、依存の人にとっては頑張ることが大事なのですが、自立の人にとっては頑張ることが当たり前なので、いつも100%をはるかに超えたハードワークをしてしまい、その結果、燃え尽きてしまうことも良くあります。
そんなわけで「自立はほどほどに。それを過ぎるとまたしんどいぞ」ということになるのです。
また、依存時代が「感情豊か」である一方で、自立時代は「思考優先」になります。
だから、どんどん論理的、思考的になっていって、感情を抑圧してしまうんですね。
そうするとどんどん心の中に感情が溜まって行ってしんどくなってしまいます。それを表に出せない分、アンダーグラウンドというところで吐き出さなきゃいけなくなり、それはまた10月に心理学講座で扱うわけですが(とてもさりげない宣伝ですぞ)、いわゆる「いっぱいいっぱいな状態」になるんですね。
そういう苦しい状態になるので「自立」は手放しましょう、という話になるのです。
で、自立を手放したらどうなるか?というと、「相互依存」というステージに入ります。
win-winの関係を築ける状態、とか、共同創造の時代、とか、共生共存の時代という表現も私のブログではよくしているかと思います。
そこでは自立と依存の良い部分を採って、より生き易く、また、自分らしい人生を歩めるような状態になっていくのです。
相互依存の時代を一言で表すと「自分でできることは自分でやり、自分ではできないことは誰かに頼む」ということができる時代です
依存時代というのは「誰かにやってもらう」という時代。
自立時代というのは「自分がする」という時代。
その次の時代(ステージ)が「相互依存」というわけです。
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それで、自立が行き過ぎて辛いぞ!燃え尽きそうだぞ!いっぱいいっぱいだぞ!という方には「自立を手放しなはれ」という話をして、白旗を作ることを推奨するわけですね。
だから、Yさんの質問にストレートに答えるならば、
「依存の人は自立を目指す必要があります。そして、自立の人はそれを手放して相互依存のステージに入るのが自分らしい人生を歩むコツなのです。」
ということになります。
このたった60文字ほどで済む答えをこれだけ引き伸ばしてお話しする根本さんですから、いつも講座では時間が足りなくなるのも無理はありません・・・。
でも、この自立のお話。もっともっとたくさんできるんですけど、何となくめんどくさくなってきたのでこの辺で終わりたいと思います(笑)
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