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他愛もないお願いごとにすごい神経を使う、それによって癒着が生まれ、周りの人との距離感が分からなくなり、振り回される人生になる・・・。
そんなとき、癒着を切るアファメーションと「許し」によって「才能」が目覚めるのです。
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講演会でもこんな話をしています。他人軸になり、自己肯定感が低くなる育ち方の例。思い当たる方も少なくないんじゃないでしょうか。
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「明日、給食がないからお弁当作って」
この一言を言うのに、何度も何度も覚悟を決めなければいけなかった。
その時のお母さんの顔を想像すると、気が重たくてしょうがない。でも、お弁当を持っていかなくて周りの子に変だと思われるのも嫌だし、どうせそのあと学校から家に電話がいくから、どうせ怒られることに変わりはない。
リビングに行くとお母さんは例によって機嫌が悪そうだった。ぶつぶつ文句を言いながらテレビを見ている。
料理が苦手で嫌いというお母さんにお弁当を作って欲しいと頼むのは本当に勇気が要ることで、いっそのこと自分で作れたら、と思う。
でも、まだ小学生の自分には荷が重たい。早く大人になっていろんなことを自分でできるようになりたい、と未来を思いながら、もう少し後にしようと思った。
夕食の準備をしているお母さんは少し機嫌が回復したようだ。お気に入りのアイドルがテレビに出ていたからかもしれない。そこで、満を持してお母さんにそのお願い事をした。
「えー?明日?めんどくさいわねえ。ほんと。○○(弟)も?ほんっとに朝早く起きなきゃいけないしー、嫌だわ」
実際、あれやこれやの文句はこの後当分続くのだが、いつしかその声は耳に入らなくなった。
とりあえず、怒鳴られたり、拒否されたりすることなかった。
明日はとりあえず「弁当を持っていない」という恥はかかずに済みそうだ。とはいえ、友達に見られたら恥ずかしいほどの中身ではあろうけれど。
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この子の気持ちがよく分かる方も多いんじゃないかなあ、と思うのです。
このケースは「感情的なお母さん」あるいは「子どもに興味がないお母さん」の両方のパターンを合わせたもの。
感情的なお母さんと言えば、ヒステリックで感情的に相手を振り回し、なんでお母さんに怒られるのか?が理解できないものです。
さっきまではニコニコしていたのに突然理不尽なことで怒りだして、罵倒されたり、手を挙げられたりします。
だから、すごく怖いし、嫌だし、ごめんなさいを連呼することになります。
子どもに興味がないお母さんは冷たいんです。お母さんもどう子どもに接していいのか分からないようで、心が切り刻まれるような関係を築きます。
心理的な距離も開いてしまうんです。
一見、正反対なこの両方のお母さんなのですが、子どもからすれば常にお母さんの気持ちを気にする必要に迫られます。
「今、お母さん機嫌いいかな?」
「お母さん、今、怒ってないかな?」
「今なら話しかけても大丈夫かな?」
そんな風にお母さんの気持ちをサーチして、「大丈夫」とか「まだマシ」というタイミングを見測らねばならないのです。
それが癖になれば、当然のように人間関係に影響するのも分かりますよね?
「神経質」って言われることもあれば、「考えすぎ」というのもあるでしょう。
いつも「自分はここに居ていいんだろうか?」と居場所がない不安を持ちやすくなります。
そんな風に心の中に常に不安や怖れ、そして、寂しさを抱えています。。
皆さんの子ども時代どうでした?
ぶっきらぼうに「明日、弁当」って言えば、自動的に朝、美味しいお弁当がテーブルに用意されていたかもしれません。
あるいは先回りしてお母さんから「明日、お弁当なんでしょ?」って言われて「あ、そうだ!忘れてた!」なんて経験がある方もいるかもしれません。
でも、今日のお母さんには、「明日、お弁当なんだけど」という言葉をかけることにすら躊躇してしまう関係なんです。
それって、すごく寂しいし、辛いですよね。
昨日と話と同じように、お母さんが学校の先生になり、上司になり、恋人になっていくのです。もちろん、目の前にいる友達にだってそのパターンが出てきてしまいます。
いつも人の顔色を窺ってしまう、人の感情に合わせてしまう、自分がここに居ていいのか分からない、何をやっても自分に自信が持てない、という風に。
こうして「他人軸」の生き方が作られていくのです。
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さて、そんな場合、どうしたらいいのでしょう?
「私は私、ママはママ」というアファメーションは、この場合も有効です。
今日のようなお母さんの場合、子どもとは心理的な距離は空いているように見えます。
実際、距離を縮められたら怒るお母さんですし、また子どもとしても近づいたら感情をぶつけられますから距離を取りたくなります。
おそらくこういうケースでは思春期以降、早く自立して家を出ることばかりを考えるようになると思います。
ところが、心理的に距離を空けてるつもりでも、意識は常にお母さんに向けています。
お母さんのご機嫌によって自分の運命が決まるわけですから。
だから、実は、こういうケースでも「癒着」と言う関係が生まれます。
「癒着」というのは「感情的に相手との境目がなくなること」を指します。
「お母さんの感情によって、自分の感情が決まる」場合、あるいは、「お母さんの感情に同調して自分も同じ感情を感じる」場合、どちらも癒着状態です。
だから、それを手放すためにそのアファメーションは有効になります。
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自分を受け入れる、というプロセスはとても大切で、そんなお母さんに気を使いまくって、寂しい思いを抱えて育った自分を受け入れ、愛してあげることが一番です。
膝に抱っこしてよしよししてあげるようなイメージ。
それはインナーチャイルドワークと呼ばれるものになるわけですが、自分を否定せずに、自分をただ肯定してあげることが大事なんです。
居場所がなく、自分がここにいていいのか不安なわけだから、「大丈夫よ。ここに居ていいのよ」と言ってあげます。
すごく相手に気を使い過ぎて疲れてしまうので、「よく頑張ったね」と言ってあげます。
自己肯定感をあげる方法の一つに「自分の友達のように接してあげる」というものがあるわけですが、ここでは「自分の大切な子どもやペットに接するように」という意識の方がずっと優しくできるかもしれません。
そうして、幼い頃の寂しい思いを払拭していくのも一つの方法です。
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今日はもう一歩踏み込みましょう。
幼い自分を受け入れ、愛してあげることはとても大切なことで、第一歩としては必要なのですが、実はそれで人間関係がスムーズにいくかどうかは分からないのです。
すなわち、お母さんとの関係が消化できていないと、いい関係を築く、ということが苦手なままになってしまいます。
そのために今回の本でも扱っているテーマ「許し」が役立ちます。
「どうしてお母さん、そういう態度をとったんだろう?」
「どうしてお母さん、そういうことしか言えなかったんだろう?」
「もしかして、お母さんも辛くて、寂しかったのかなあ?」
大人の目線でお母さんの人生を改めて見つめ直すのです。
子ども、という意識でお母さんを見ると、怖かったり、むかついたり、否定したりしたくなります。
「もっと愛すべきだ、子どもにそんな態度をとるなんて」と思います。
でも、今、いろんな経験を積んで大人になったわけですから、その大人チャンネルでお母さんを見てみるのです。きっと違うことが分かってきます。
お母さんの生い立ちやお父さんとの関係について。
お母さん自身の自己嫌悪、自己否定について。
お母さん自身の自信の無さ、自己肯定感の低さについて。
そんな痛みがたくさん見えてくるかもしれません。
実は、これね、お母さんとの関係で培った「敏感さ=高精度感情センサー」が役立つわけです。
そうして、お母さんを「愛する」という方向に向いていきます。
そのプロセスを「許し」と言います。
そうして、お母さんを許せるようになると、実はそうした環境に育ったからこそ、あなたが得られた恩恵を発揮できるようになるんです。
今回のお母さんのケースなら、人の感情の機微にとても敏感になります。他人軸で生きているとそこに振り回されるのですが、自分軸で生きる場合は、それを逆に「相手の気持ちをキャッチする才能」として生かすことができるんです。
そうすると、細かい気遣いが必要なサポート業務や高額商品の営業、接客、また、心を扱うお仕事、組織を束ねるマネジメント業務などにそれが役立つことが分かります。
だから、こういうタイプの人は「カウンセラーとか向いてるよ」なんて話をしたりします。
もちろん、その高精度感情センサーを使えば「気が利く、気が付く」「視野が広い」「感受性が豊か」「人の気持ちがよく分かる」という長所に繋がるのですから、当然、人気ものになっちゃいますね。
振り回されるか、長所として生かせるか?
その分かれ目が「他人軸」の生き方をしているのか、「自分軸」で生きているのか、の違いなのです。
・・・なんてことを書いた本がいよいよ今日!発売になります。
すでに書店に並んでいるところもあるようですが、ぜひ、手に取ってご一読ください!
>「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法(根本裕幸著)」
そして、そんなことを実際にやってみるワークショップも10月に開催されるわけです。
「自分軸で生き、自己肯定感をあげるワークショップ」(10/7名古屋、10/8大阪、10/21東京、10/28札幌)
>http://nemotohiroyuki.jp/event-cat/20816
<読者から頂いた本の感想>
特に私は、自分のしてきたことにイメージでマルをつけるワークで、これまでの自分を認めてあげることができたように感じました。とはいえ、長年培ってきた自分へのダメ出しをすぐに解消できるほどの軽症ではないので、7日間を何セットでもやってみたらいいなぁと思っています。
この本をバイブルに、3歩進んで2歩下がりながらも1歩ずつ着実に進んでいきたいです。
(Sさん)
でも、お題に取り組んだあとで解説を読み直すことで、いっそう身に沁みました。
7日間だけだからがんばってみよう、とお題に取り組むことができるので日常に効きそうです。
(AMさん)
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