「手放し」「信頼」「コミット」「共同創造」は自立を手放してwin-winの関係を築くために有効なツール。



私は「手放し」ということをよく言うカウンセラーだと思うのですが、この「手放し」というのは自立から相互依存の状態に移行するためのツールとしてとても大切で有効な手段だからです。

私たちは自立時代、自分が頑張らなければ、自分で何とかしなければ、と思い頑張って多くのものを背負い、抱えて行きます。
そこには所有欲、支配欲などが働き、人間関係では相手を思い通りにコントロールしたり、まるで相手を自分の所有物のように扱う癖が付きます。

また、正しさや自分のやり方を持って相手を否定し、攻撃します。
「○○が正しい」とか「○○が間違っている」という価値観でいるので、いつも敵に恵まれます。
また、やり方の多くは過去の成功法則に基づいているので分かっていてもなかなか手放せないものです。

その結果、何が生まれるか?というと争い(競争)であり、劣等感、優劣感であり、不安や怖れであり、罪悪感なのです。

そうしてだんだん行き詰まりを感じます。
所有しようとすればするほど欲が深まります。
支配にはやがて反発されます。
正しさは溝を深めます。
そして、競争は勝者と敗者を産みます。

その世界を乗り越えて手を取り合う、共生の時代、win-winのマインドを作る、それが「相互依存」のステージです。
そして、そのステージに行くための強力なツールが手放し、というわけです。

その手放しを通じて得られるもの、その一番は解放感であり自由です。
それらは心に余裕を作ります。
突っ張ったり、頑張ったり、攻撃したり、否定したりすることがなくなります。

そうするとどういうことが起こると思います?
「投影の法則」ってありますよね?
内なる心が外の世界に投影される、という話。

自分自身の中に他者への攻撃や否定や競争心がなくなると、世界は内なる世界の投影で出来上がってるわけですから、他者からの攻撃や否定や競争がなくなるのです。

あら、不思議。

正確に言えば、その攻撃や否定に振り回されない自分になってしまう、ということです。
(あるいは、攻撃や否定や競争に気付かなくなり、反応しなくなります)

そこでは「自己実現」という次なる欲求を満たす段階がやってきます。

自立の段階でも似たような現象は起こるのですが、それはどちらかというと「認められたい」「有名になりたい」「すごいと思われたい」といった承認欲求寄りの世界。

相互依存の世界では、ライフワーク始め「「ほんとうにしたいこと」や「それをするために生まれてきたこと(ミッション、使命)」との出会いが起こります。

またパートナーシップにおいては、相互依存レベルに達すると「真実のパートナー」になります。
パートナー間での競争、否定、支配(コントロール)、攻撃などがなくなり、共同創造の段階に入ります。

でも、本当は私たちはもともとこのステージに居たんです。
それが、「誕生」というイベントによって、依存の状態になり、その後、自立してやってくるんですね。
だから、人によってはこの「相互依存」のステージを「天国」という呼び方をします。

自立を手放して相互依存の世界に向かうこと、それは「本来の自分」に戻るプロセスに他ならないのです。

そんなステージに向かうために大切なこと、それが「手放し」ということなのです。

他にも様々なアイテムが自立から相互依存に向かうプロセス用に用意されています。

〇信頼・・・自立時代は一人で戦ってきました。究極のところ自分以外は敵という意識まで至ることもあります。
そうした思いを「手放し」て、改めて誰かをアテにすることで、相互依存の世界に入ります。
「信じて頼る、信じて委ねる、信じて任せる」行為、それが「信頼」という奴です。

「あいつだったら大丈夫だろう」
「あいつがそう言うんだけから任せてみよう」
「あいつに頼めば何とかなるだろう」

そんな行為が「信頼」という奴です。

〇コミットメント・・・腹を括る、覚悟を決める、選択し続ける、献身的に関わる、諦めない姿勢、与え続ける覚悟など、様々な日本語が当てはまりますが、信頼し続けることもコミットメントの一つです。

「この人と幸せになる」
「この仕事で成功する」
「自分にできることを一つずつやっていく」
「目の前のできごとにベストを尽くす」
「決してあきらめずに最後までやり抜く」

そんな思いを体現しています。

コミットメントと執着とどう違うの?と思われる方もいらっしゃると思います。
その違いはシンプルです。
「選択しているか、選択していないか?」です。

「この人と幸せになる」というテーマを掲げるならば、前提として「他の人と幸せになることもできる自分」の存在を知っています。もちろん、同時に「この人が他の人と幸せになる可能性」にも目を向けることができます。
その上で「この人」を選び続けることをコミットメントと言います。

一方、「この人しかいない」と選択肢がない状態が執着です。
だから、他の人と幸せになる自分や、「この人」が他の人と幸せになることを認められません。

〇共同創造(win-win)

自分が相手のために何ができるか?を知り、それを与えることで、お互いにとって良いものを作り出すプロセスのことです。
お互いの利益が最大になることを探し、それを共に創り上げられるプロセスです。

この辺の話は企業に置き換えると分かりやすいと思います。
「お互いの会社の強みを持ちあって、より良いものを社会に提供する」という姿勢ですね。

パートナーシップで言えば、お互いの長所を生かし、短所を補い合いながら、幸せな関係を築く、という姿勢です。

強みや長所を認めて生かすためには、同時に自分の弱みや短所を受け入れる勇気が必要ですし、そればかりか、それを相手にオープンにする必要が出てきます。
競争意識が強い段階では「弱みを見せてはダメだ」という意識が残りますから、このプロセスには抵抗を感じます。

実はこの記事、今度開催する講座のテキストとして作っていたところ、これはブログに書いた方が皆さん喜んでくれるんじゃ?と思い、今日のネタにしたものです。

従ってこの講座ではこの文章がまんまテキストとして提供されます。
ただ、それぞれの項の説明を十分に取ることと、それぞれに実習(ワーク)が付きます。

自立を手放して、相互依存へのプロセスを学んでみたいという方はぜひお越しください。
当日飛び込み参加もウェルカムです。

大阪:8/17(木)19:00-21:00 梅田
名古屋:8/18(金)19:00-21:00 名駅
東京:8/24(木)19:00-21:00 飯田橋
http://nemotohiroyuki.jp/event-cat/20179

また、この自立を手放すための本格的な実習を備えたセミナーが8/19(土)名古屋で開催されます。
http://nemotohiroyuki.jp/event-cat/19036

さらに、「手放し」に特化したセミナーを8/27(日)東京で開催します。
http://nemotohiroyuki.jp/event-cat/20312

ご縁を感じた方はぜひご来場ください!


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