始めはうまく行くけれど、距離が縮まり出すと苦しい気持ちが湧き上がる。


多くの方にとってあるあるな話ではないでしょうか。
心の距離が近づくと、幼少期の心の傷が疼きだして苦しくなるのです。
とはいえ、大事なのは自分の気持ち。
苦しいもんは苦しいんです。それを大事にしてあげたいですね。

いつも根本さんのメルマガを楽しみに拝見しています。

実家は私が幼少の頃から家庭環境が複雑で、家の都合で何度も引越しを繰り返してきました。

小さい頃は引越し先でもすぐに友達が出来ましたが、小学校高学年以降は段々とうまくいかなくなり、引っ越す度に人付き合いが下手くそになっていきました。

思春期以降、人付き合いの難しさにあせりながら、うまくいかない事を親や他人のせいにしたこともありました。
最終的には自分を責め続け、成人する頃には生きることに疲れてしまいました。

でもなんとかカウンセリングや読み物の力もお借りして、ここまで生きてきました。

心の安定を求めて引越し生活にピリオドを打ち、今の家に住み始めて15年目になります。
顔見知りも増え、ママ友も出来ました。

付き合い始めはうまく行くような気がしするのですが、距離が縮まり出すと、嬉しい筈なのに逆に苦しい気持ちが湧き起こります。

周りのみんなが楽しそうにしていて、私もその中にいる筈なのに、でもやっぱり苦しさから逃れられません。

定住して人付き合いを広げれば、何かを変えられると思っていましたが、そうじゃなかったみたいです。

私も楽しい中の一員だと感じてみたいです。

文章だと伝えきれませんが、もしよければアドバイスしてもらえたら嬉しいです。
(Yさん)

心の距離感についてはいろんな機会でお話をしていますが、やはりとっても大切なテーマの一つですね。

例えば、こちらの記事も参考になると思います。
この記事はパートナーシップについてですが、他人との距離感についても当てはまります。

「私も、きょうだいも、こぞって異性に縁がないのはなぜ?」
http://nemotohiroyuki.jp/manwoman-psychology/12145

また、こちらは転校を繰り返すと人との距離を縮めるのが怖くなるお話です。

「転校を繰り返した経験が作る心の壁~転校生の孤独~」
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16482

Yさんにとっては思い当たるところも少なからずあるのではないでしょうか。
ていうか、もしかしたら、この2本の記事で「もう十分分かったから、もうええわ。帰ってや」とか思われるかもしれませんけど、そんな声は無視して書き続ける今日この頃です。はい。

子ども時代に複雑な家庭で過ごし、引っ越しが多くて転校を繰り返すと、近い距離が苦手になるのは自然なことと思います。

幼少期は親や家族との距離が近いんですね。
思春期になる頃から友達や恋人という存在が出て来て、それ以降は「家族よりも友達」とか「親よりも恋人」という意識が強くなります。これを自立のプロセスと言い、その後、社会の中で生活し、自分の家庭を作るために必要なプロセスです。

さて、その幼少期は家族がすべてなわけですから、その家族の中で辛いこと、嫌なこと、しんどいこと、苦しいことがあれば、それを全部Yさんは受け止めることになります。
ありきたりな表現をすれば、心に傷をたくさん負うことになったのです。

例えば、両親がケンカしてるとするでしょう?
大人になった今、両親がケンカするのを見るのと、子ども時代にそれを見るのとでは衝撃が全然違うと思うんです。

今となれば「いい大人が何してるんだか。まあ、仲が良い証拠だわね。好きにしなさいな。夫婦喧嘩は犬も食わないって言うくらいだしね」と冷ややかに流せるかもしれませんが、子ども時代には「お願い!やめて!苦しい!辛い!悲しい!」という思いでいっぱいになります。
両親のケンカを見聞きしたくなくて一人頭から布団をかぶって丸くなって震えていた記憶をお持ちの方も少なくないんじゃないでしょうか?

心理的な距離が近い子ども時代と、自立してある程度距離が空いた今では感じ方が違うのですよね。

言わば、最前列で見るのと、2階席で見るのでは、同じ吉本新喜劇でもインパクトが全然違うんです。ちなみに今の夢はすっちーが投げる飴ちゃんをゲットすることです!はい。前回は3列目でもキャッチできませんでした!くそっ!

で、私たちはそもそもそうした辛い思いをしたときに親から距離を取り始めます。
複雑な家庭で育った子の方が同級生の中でも大人びて見えるのはそうして早く自立したからですよね。

その自立する基本は「痛い思いを2度としたくないから、痛い思いをしなくていい距離まで離れる」という姿勢であり、それに加えて「自分でやりたいから親の影響が届かないところまで離れる」という意識も影響しています。

つまり、私たちの自立は痛みからのものと、独立心(自分でやりたい)からのものがあるんですね。

で、Yさんの人生を振り返れば、やはり痛みからの自立が大きかったようで、その痛みに蓋をする形で今に至るわけです。

そして、人と知り合い、仲良くなっていくと、だんだん心理的な距離が縮まっていきます。
そうすると、かつての痛みがぶり返して、なんか苦しい、なんか嫌な感じ、なんかダメって思いが出て来るんですね。

それがYさんのこういう状態なわけです。

>付き合い始めはうまく行くような気がしするのですが、距離が縮まり出すと、嬉しい筈なのに逆に苦しい気持ちが湧き起こります。

つまり、全然それは変な状態ではなくて、自然なことなのですね。
そして、それは誰の心の中にもあるもので、その傷が疼き始める距離が人によって違うだけなんです。

だから、それだけ子ども時代に辛い思いをしたんだなあ・・・という風に自分を見てあげるといいですね。

それで、まあ、セラピー的に言えば、インナーチャイルドワークをする、とか、子ども時代の親を許す、というプロセスが一般的ですし、今何をすればいいのか?というと、案外夫婦関係に意識を向けるといいと思いますし、子育て中ならば、子どもに与えられるものをどんどん与えていくと良いと思います。

※パートナーシップは一番親密な距離感なので、パートナーとより良い関係性を築くと過去の痛みも流れていきます。格言「パートナーシップはすべての傷を癒す」。

ただ、ママ友のことは書いてらっしゃっても、旦那さんやお子さんのことは書いてないので、その辺はうまく行ってるのかな?だとしたら、素晴らしいことですね。

ちなみに私が知る限り、ママ友付き合いと言うのは人生の中でも最難関に部類する人間関係です!だから、別にそこを捨てても人生への影響はさほどありません(笑)

で、今日はそういう癒し方的な話ではなくて、自分を大事にしながら(自己肯定感を高めながら)、そういう時にどうしたらいいのか?って話をしたいと思います。

>周りのみんなが楽しそうにしていて、私もその中にいる筈なのに、でもやっぱり苦しさから逃れられません。

私のブログを通読なさっている方ならば、こういう時に大事なことが何かはもうお分かりですよね?

◎自分を責めない。
◎苦しい自分を受け入れる(認める、許す、と言ってもいい)
◎人と比較しなくていい
◎でも、ついついそう思っちゃう自分を許してあげる

距離感は人と違います。
みんなと同じように楽しみたいと思っても、楽しめないときって必ずあり、そしてそれは変なことではありません。

食べ物に置き換えてみると分かりやすいですよね?

「女子会でみんながコレ美味しい~!!ってガツガツ食べてる“くさや”。でも、あたし、あれ、匂いもダメだし、全然美味しいと思えないんだよね~」

って時、くさやを食べられない自分を責めますか?無理に食べますか?その場に居続けられますか?

「くさや、とは?」
https://g.co/kgs/HtRJmV

※ちなみに関西人は「くさや」を「鮒寿司」に置き換えて読んでください。

「鮒寿司、とは?」
https://g.co/kgs/qyrEMd

※またスウェーデンにお住まいの方は「くさや」を「シュールストレミング」に置き換えて読んでください。

「シュールストレミング、とは?」
https://g.co/kgs/sf31FH

みんなが楽しい、とか、美味しい、とか、面白い、と言ってるときに、自分が同じように感じられないのは分離感を感じて寂しくなったり、自己嫌悪したりします。
でも、それって「みんなと同じじゃなきゃおかしい」という観念が作り出すものなんですよね。

しかも、実際のところ、周りの人みんなが楽しいのか?というと意外とそうではありません。
Yさんと同じように感じている人もいるんです。
つまり、くさやは嫌いなんだけど、みんなが食べてるからニコニコしながら食べてる女子もいるってわけです。

で、どうしたらいいのか?というと、「自分の感覚を大事にする」ということです。
すなわち、「自分が楽しめる距離感を大切にする」ということです。

自分が楽しめない、苦しい、ということは、今の自分にとってはその人と距離が近すぎるんですね。

もちろん、癒していけば、ゆっくり近づいていけばその意識は変わって行きますから、「今は」と限定しています。

だから、「今の自分」はその距離を楽しめないのだから、苦しくない距離までその人との距離を空ける、というのが正解だと思ってます。

「どうするべきか?」「どうするのが正しいのか?」ではなく「どうするのが楽しいか?」に意識をチェンジです。

「だって、自分が苦しんだもの。そら、しゃあないよね」って私はよく言います。
そして、「じゃ、苦しくないように離れたらいいんじゃない?」

つまり、私の提案はいつもコレ。

『自分の気持ちを大事にしながら心地よい距離感を保ち、そこでもし「もっと近づきたい!」と思うのならば、その一方で自分の心を癒しましょう!』

ポイントは2つ!
◎自分の気持ちを大事にする
◎どうしたいのか?に従う
ということです。

いつでも自分の味方でいてあげたいですよね!

ちなみにそんな人との距離感について書かれた本がコレ!

「人間関係がスーッとラクになる 心の地雷を踏まないコツ・踏んだときのコツ」

 

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