自己肯定感が低くなる原因は?



温かい家庭に育ったからと言って自己肯定感が必ずしも高いわけではありませんし、虎の穴みたいな家庭に育ったからと言って低いわけではありません。
自分自身の受け取り方にもよりますし、人との出会いにも影響を受けるわけです。

根本先生はじめまして
離婚問題の悩みからブログへたどり着き、全ての根底にあったのは依存と執着だったのだと気付きました

今回お伺いしたいのは、依存と執着の更に根底の、自己肯定感の低さについてです

夫にも指摘されたことがあり、自分でも悩みなどの原因を探るといつも自己肯定感の低さに行き着きます

愛情不足…子供の頃の問題…
そういうのを見ても全く思い当たらないのです

私の家庭環境は全く問題がある家庭ではありませんでした
優しくて愛情深いお母さんに、おちゃめで怒ると怖いお父さん、仲良しの姉と弟…

母は過干渉でも支配的でもありませんでしたし、父は11歳の頃亡くなりとても悲しかったですが、もうほぼ思春期ですし影響があるとは思えません

ただ無理して思い当たることを探すとすると、弟が年子なために「姉弟に比べて、私は構われてない!赤ちゃんの頃の写真もない!」と子供の頃は何かにつけよくいじけていました

うーん…子供のよくある僻みとかいじけだと思うんですが…

先生、こういう家庭環境でも愛情不足や自己肯定感が低く育ってしまうことってあるのでしょうか?
それとも私の問題は自己肯定感の低さでは無いのでしょうか?
(Jさん)

カウンセラー業ってのは揚げ足取り業(根本の場合。一般にはどうか知らん(笑))なので、ねちねちと細かい点をツッコむわけでして。

>うーん…子供のよくある僻みとかいじけだと思うんですが…

ってところで自己肯定感の低さが伺えますなあ、と髭を撫でながら根本先生はおっしゃるわけです。

自己肯定感が低くなる理由というのはいっぱいあって、それこそ、書ききれないというか、書くのがめんどくさいからなんですけど、「これ!」というものはないんです。

つまり、家庭環境が問題あるから自己肯定感が低くなる、とも限らないですし、Jさんのような愛情深い家庭に育ったからと言って自己肯定感が高くなる、とも限らないんです。

セミナーでもよくご紹介していますが、こんなケースがあったんです。

***
私、子ども時代、お父さんと遊んだ記憶が全然なくて、お父さんが笑ってる顔も一度も見たことがない!と思ってたんです。
でも、この間実家に帰って子ども時代のアルバムを見てびっくり!
めちゃくちゃお父さんと一緒に写ってる写真があって、肩車して満面の笑みの私とお父さんとか、抱っこされてる写真とか、ほんとびっくりなんです。
***

つまり、記憶なんて曖昧なもんだ、ということです。

特に思春期に入るとそれまでの記憶を書き換えてしまうこともよく起こります。

例えば、子ども時代はパパべったりですごく仲良しだった娘さん。でも、思春期に入り、反抗期を迎えると、そのパパと仲良しだったことが超絶気持ち悪くなり、その記憶を消しにかかります。
つまり、昔からお父さんのことは大っ嫌いだった!と思い込もうとするのです。
それを何年か思い続けた結果、大人になったときに「お父さんのことは小さい頃からずっと嫌いだった」という認識になるんです。

特に「優等生」とか「いい子」だった方は、そもそも優しいですから両親のことを悪く思思いたくありません。
客観的に見れば過干渉な母親も、いい子にかかれば「子ども思いの優しいお母さん」になっていることもあるんですね。

それに賢いですし、プライドも高かったりして、何とか「いい家族」という風に演出したりするんです。

そもそも子どもにとってはふつう親は一組しか知りませんから、それが標準になります。
こんな方もいました。
「私はよく子どもの頃から父親に殴られてたんですが、どこの家も同じだろうと思ってたんです。
でも、小学校5年生の頃に、体育の後、顔を洗ってたらお父さんに殴られた後が沁みて『昨日、オヤジに殴られたところが痛いよ』って言ったら、隣の友達がぎょっとして『僕、お父さんに殴られたことなんてないよ』って言ってて、ほんとびっくりしたんです。」

私たちが親を客観的に見るのは他の家族と比較して、ですよね。
だから、友達の家に遊びに行ったり、友達と家族の話をしたりして、「あ、うち、変わってるんだ」って気付くんです。

逆に、そういう機会がなかったりすると、うちは普通、と思いながら成長してることもあるんです。

あ、これ、別にJさんの家がそうだったんじゃね?という話じゃなくて、あくまで一般論ですからね。

それと自己肯定感の低さと関係あるかは限りませんが、11歳でお父さんを亡くす、というのは案外、何らかの影響を残しているかもしれません。
多感な思春期ですから、表向きは平静を装っていても、人によってはとても大きな影響を受けるんです。

どんな風に亡くなられたかは分かりませんが、仲良かった家族、お茶目なところが大好きだったお父さん、が亡くなっちゃうわけですから、内面的には大きな喪失感が想像されますよね。

また、その後、お母さんが一人で子どもたちを育てて行くのでしょう?
それもまた何らかの影響がないとも言えないんじゃないかなあ、と思うのです。

離婚問題の時の「依存」「執着」というのは、ケースによっては「喪失感のトラウマ」が影響してることも多いんですね。

例えば、「お父さんをある日突然失ったことにより、大切な人がある日突然いなくなってしまう、というトラウマを抱えるので、大切な人ができると、その人もいつかいなくなってしまうのでは?と執着心が生まれる」という感じです。
もちろん、「大切な人が突然いなくなるトラウマ」というのは潜在意識にあるので、顕在意識では気付いていないこともあります。そして、実際に執着が強く出てきたときに気付かされる、というわけです。

もちろん、このパターンがJさんにあるかどうかは断定できません。あくまで、こういうケースもありますよ、というお話ですよ~
その辺はもう少し具体的にお話を聞いてみないと分からないですから。

で、そろそろJさんの話に戻るわけですけど、

>ただ無理して思い当たることを探すとすると、弟が年子なために「姉弟に比べて、私は構われてない!赤ちゃんの頃の写真もない!」と子供の頃は何かにつけよくいじけていました

ということを思い出せただけでもOKです。
これだけで自己肯定感が低くなるか?というと、それも人それぞれなんです。

子どもの頃、よくいじけてたって十分な理由になりますよね。

3人きょうだいの真ん中ってJさんのようによく放置プレイに合います。
第一子は「何かにつけて初めての子」であり、第三子は「末っ子で手がかかる」わけで。

しかも、女、女、男というきょうだい構成の場合、弟の方にどうしたって目が行きますよね。初めての男の子で、末っ子ですから。

そしたら、真ん中のJさんとしては「おいおい、待遇悪いんじゃねーの?弟に比べてサービスが悪いんじゃねーの?」という思いを常日頃から感じていたことが想定されるわけです。

それってだいぶ自己肯定感を下げることになるんですよ。

「私は、注目されてない」
「私は、必要とされてない」
「私は、いらん子じゃね?」

みたいな思いができやすいです。

また、我慢してることが多かったりすると、もう何を欲していたかも忘れてしまいますよね。
例えば、すごく子ども時代、愛情に飢えていたんだけど、弟が小さいししょうがないって諦めていたり、そんなわがまま思っちゃダメ!と自分を抑圧していたりしたら、愛情に飢えていたことすら忘れてしまいます。

だから、そこで「自己肯定感が低い原因」を探すのもいいんですが、「自己肯定感を高めるできごと」があったかどうかについても考えてみるといいんですよ。

それは理性的に見るんじゃなくて、感情的に見るのがいいんです。

・お父さん、お母さんは私のことをちゃんと褒めてくれただろうか?
・お父さん、お母さんはちゃんと私のことを愛してくれただろうか?
・お父さん、お母さんから「認められてる!」と感じた経験は何だろうか?
・お父さん、お母さんから「私が生まれてよかった」と感じた経験は何だろうか?
・何をするとお父さん、お母さんは喜んでくれただろうか?

温かい家庭で育ったということは、低くなる要因、よりも、高くならない要因、の方がJさんは影響を受けてるかもしれないですね。

自己肯定感が低くなる要因は、育った家庭の要因も大きいのですが、学校生活や受験、習い事、恋愛、友達関係、仕事など、色々なポイントがあります。

自己肯定感というのは「良い自分もOK、ダメな自分もOK」ってことですから、ダメな自分を否定する「自己嫌悪」が強かったりすると、あちこちで自分を否定する癖をつけてしまい、自己肯定感はぐんと下がります。

この自己嫌悪というのは思春期にとても強くなり、セクシャリティ(性的魅力)とも繋がっていきますから、家庭とは別に、この自己嫌悪が強くて自己肯定感が低くなるってことも当たり前にあるもんです。

という風に、あれこれと自己肯定感が低くなる理由を探してみるのもアリなんですけど、案外自己分析ってのは難しいので、なかなか自分では見つからないこともあるんです。

だから、大事なのは「あれ?あたし、自己肯定感低いんじゃね?」ということに気付くことですし、気付いたら、「ま、それを上げてきゃいいじゃん」という取り組みをしていくことがいいと思うんですよね。

ということで、自分を褒める、とか、自分を笑顔にすることをする、とか、周りの人の愛を改めて受け取る、などの基本系から取り組んで頂けたら良いかと思います。

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