ラスボスは実は姉(妹、兄、弟)だった!?親の影に隠れたきょうだいの問題の癒し方。



心理学では親子関係についてガンガン扱いますが、その分、同じ家族であるきょうだいは少し後回しになることも少なくありません。
よくよく問題を見て行ったら「それってお姉ちゃんとの関係だよね?」というケースも実は多いんです。

出雲のリトリートセミナーで扱った個人セッションに「姉妹」がキーワードになったものがありました。
今日はちょっと「きょうだい」にフォーカスした記事を書いてみたいと思います。

私もそうですが、心理系のブログを読まれてる方の場合、「お父さん」「お母さん」にフォーカスすることが多いと思います。実際、やっぱり多いのも事実ですし、私のブログでも「ラスボスは母だった!!(じゃじゃーん!!!)」という記事も多数あります。

一方で、きょうだいの問題って意外と表に出にくいくもので、例えば「ファザコン」は分かりやすいけれど「ブラコン」はなかなか自覚し辛かったり、母との葛藤・軋轢は意識しやすくとも、姉との競争については何となく触れにくかったりするものです。

でも、きょうだいって「一番年の近い家族」であり、「一番気心の知れた相手」であると同時に、「親の愛を奪い合うライバル」で、時に「人生最大の敵」になることも多いんですね。

きょうだいと言っても姉妹、兄弟という同性同士と異性のきょうだいでは異なる部分も出てきますし、また2人きょうだいなのか、3人きょうだいなのか、それ以上なのかによっても変わります。

第一子は親にとっては初めての子なので手をかけられる一方で、神経質に育てられます。写真も一番多く撮影される一方で、あれこれと監視の対象となることもあります。
また、親の期待を一身にかけられることも多く、それに応えてしっかり者になることも多いのですが、逆に窮屈な状態で育つことも少なくありません。

第二子は2回目なので親にも少し余裕が出てきます。
一番目に厳しくしていたとしても、二番目には緩くなったり、甘くなったり。
でも、おさがりが多かったり、第一子が基準となって比較されることも多いので、愛されてる一方で、劣等感を感じやすいことも少なくありません。

また第二子が生まれると、第一子はそれまで一身に受けていた愛情が第二子に向かうので、一気に親の愛が失われたとハートブレイクします。
そりゃあ、純粋に赤ちゃんの方が手がかかるから仕方のないこと、と理解できるのは大人になってからで、まだまだ子どもの身には見捨てられたような思いを抱くこともあるでしょう。
「おねえちゃんでしょ?」って言われて育った方は特にこのハートブレイクが強くなり、下の子への嫉妬も強くなります。

また、3人目が生まれる親からするとちょっと孫モードが入ります。子育ては3人目から楽しい!という声をよく聞くのですが、それだけ余裕が生まれたということでしょう。
上の2人に比べればずっと小さいですから、可愛がられて、愛されキャラになる一方で、「私は何もできない」という思いが強くなりやすいです。
ただ、その分、打たれ強くなって根性が付くことも多いですね。

この辺の心理については以前所属していたカウンセリングサービスの心理学講座で触れたことがあるので、よかったらそちらも参照ください。

>きょうだいの心理学(1)~きょうだいがもたらす心理的影響~
 http://www.counselingservice.jp/lecture/lec449-1.html

>きょうだいの心理学(2)~一人っ子~
 http://www.counselingservice.jp/lecture/lec449-2.html

>きょうだいの心理学(3)~二人きょうだい~
 http://www.counselingservice.jp/lecture/lec449-3.html

>きょうだいの心理学(4)~三人きょうだいと、それ以上~
 http://www.counselingservice.jp/lecture/lec449-4.html

>ブラコンの心理(1)~ブラザーコンプレックスとは?~
 http://www.counselingservice.jp/lecture/lec464-1.html

仲の良いきょうだいも多く、親友みたいな関係も多いのですが、それでいて心の中には深く、そして、当たり前になってしまった競争心が根付いていることも多いんですね。
今日はそんな話題を振ってみたいと思います。

子ども同士ですからお互いに遠慮を知らない子ども時代を過ごします。
年が離れていればお互いに心理的距離ができるのでそこまでは至らないものですが、3~4歳以内だと「私と同じなのになぜ!?」という思いを持ちやすく、強力なライバルになるものです。
「2歳上の姉とはめちゃくちゃケンカばっかりしてました」って方も多いでしょう?

その分、幼いころからホンネでぶつかり合ってるので一番腹の底を見せた相手となって和解が進めば親友となり、大人になってからもずっといい関係を築けるのですが、わだかまりが壁になってしまうと、遠慮したり、連絡取らなかったり、距離を置いたり、断絶したりってことも少なからず出てきます。

特に「姉妹」となると「女同士」でもあるわけですから、ね?その辺、かなりややこしい感情が動くんですね。

例えば、「姉」は親の期待を背負い、我慢したり、頑張ったり、いい子でしてます。そうして親の愛を受けようとします。
それは「妹」が生まれて親の愛がそっちに行ってしまった!きーっ!!と嫉妬した分だけ、「先に生まれたから先になんでもいろいろとできるのよ!あんたには負けないわよ!」というライバル心を持つんですね。
それでいい子になって親の気を引くので「あなたは手のかからない子」と言われてしまい、かえって親の目が妹に行ってしまった!という失敗感を持つ人もいます。

一方、「妹」からすれば、なんでもお姉ちゃんが一番なんです。当たり前ですけどね。
ランドセルを買ってもらうのもお姉ちゃんが一番だし、入学式にママやパパが普段見ないきれいな服を着てお姉ちゃんと一緒に「がっこう」に行くのを「なんでわたしはがっこうに行けないの?」という思いできーっ!!ってなることもあります。

それでお姉ちゃんのランドセルを背負って、お姉ちゃんにどつかれた経験がある妹も少なくないんじゃないでしょうか?

また、親の期待を受けて育つお姉ちゃんに「お姉ちゃんばっかり目をかけられてずるい」と思いますし、一方で、姉は「妹はなんでも要領よくこなしてむかつく!」とやはり妹を敵視します。

その一方で、姉がぶっ飛んでる場合、本来姉がすべき役割が妹の方に来ちゃうケースもあるんです。
「妹なんだけど、お姉さんでしょ?って言われることが多いんです」という方はきっとそうでしょう。

姉がヒステリックなタイプだと、妹は「その手では母に愛されない」と思うし、「そんなことしてたらお母さんがかわいそう」と思うから、感情を抑えるようになります。

姉が暴君的なタイプだと、妹は奴隷のような扱いを受け、なんだかんだコキ使われた挙句、姉に遠慮する癖がついた妹もいます。

一方、妹が手がかかるタイプだと姉は母のようなマインドも併せ持ち、いろいろと妹のお世話をするケースも出てきます。
「お母ちゃんが二人いるみたいだった」という印象を持つ妹も多いと思います。

その場合、姉からすれば母性を持って妹を見るので自分のことよりも妹のことが気になって自分自身のことが疎かになっちゃうこともありますね。

「姉妹」の場合、もう一人の「女」である、「母」との関係もかなり影響が出てくるんですね。

お母さんがしっかり者の姉に頼り、妹を子ども扱いしてるケースだと、姉の自尊心が育つ一方で、お母さんも背負うことになり、結果、なかなか家を離れられない(結婚できない)ってことになっていたり、その妹は3人の関係が「母・姉連合vs妹」の図式のように感じて常に疎外感を持つこともあります。

言葉にして説明するとまあそうだよなあ、と思えるんですが、そこに女性同士の水面下の計算やら思いやら演技やら何やらが混じってくると、一見仲の良さそうな姉妹の中にもいろいろと複雑な感情が眠ってることが多いんです。

キーワードは「競争心」や「比較」というもので、同性な分だけ比較されることも多く、姉が優秀だと妹はより劣等感を感じやすいし、妹が優秀だと姉は居場所がないような不安を持ちやすくなります。

こういう話をすると「3人姉妹の場合はどうですか?」とか「男きょうだいだとまた違うんですか?」とか「異性のきょうだいの場合も説明してください」という声が上がるんですが、これを一般論で書くとかなり広範囲にわたるので「私の場合は?」でまた質問とかしてくれたらよいと思います。

要するにいろんなケースがありすぎます。
まあ、私のブログの愛読者ならそろそろお気づきかと思いますけど、こうして説明するのがめんどくさくなってきてる根本くんなわけです。はい(笑)

で、そうした兄弟姉妹の問題があるんだよね?じゃあ、どうしたらいいの?って話に強引に持っていくわけです(笑)

うちの場合、娘がいて、7つ下に弟がいます。
7つも違うのでケンカとかはそんなに多くないのですが、きょうだいがいるといいなあ、って常々妻とも話しています。
同じ親を持つ唯一の存在として話ができる相手ですから。

パパってこうだよね~、ママってこうだよね~って話ができるんですよね。

で、ある時、娘がこんな話をしてたんです。

「ほんとうはね、もっと弟が早く生まれるはずだったんだけど、なんか遅くなっちゃったみたいで。パパとママのところに一緒に行くって元々約束してたんだよ。」

【親を選んで生まれてくる】というのは半ば常識みたいな風に私は思っているし、心理学でもそのように語られるんですが、きょうだいってのは、生まれる前から「そのつもり」で生まれてくるんですね。
そういう話は体内記憶などの本にもよく出てきますね。

もっと言えば、生まれてから親友みたいになる、親子っぽい関係になる、敵対する、みたいなこともあらかじめ予定してきてるんですけどね。

つまり、同じ親を選んで生まれてくるわけで、生まれる前からもう出会ってるのがきょうだいなんです。
すなわち、運命共同体。

「今生では同じ船に乗ろうね」って約束してきた相手なわけです。

だから、絆は自分たちが意識している以上に強いんですね。

そして、その絆というのは「愛」という言葉で置き換えられます。

だから、先に船に乗り込んでその土壌を作るのが第一子ならば、その第一子を救いにくるのが第二子であり、さらなる援軍が第三子ってわけです。
もちろん、子どもたちはみんな親を愛していて、親を助けに来るわけですが、それと同時に先に生まれたきょうだいも愛し、助ける対象であることは間違いありません。

でも、親への愛は自覚しやすいけれど、競争や比較を感じて、今、微妙な関係になってるきょうだいに対して、その愛を自覚するのはちょっと難しいかもしれません。
「親に愛される」にしても「親を愛する」にしても競争しちゃいますから。ライバルですから。

で、ちなみにこんな話をするとひとりっ子の方はちょっと寂しくなったり、子どもを一人しか産んでいないママやパパは罪悪感に駆られたりするかもしれませんが、それは不要です。
そもそもお互いにそのつもりで今生を生きてるわけですから、今の家族に子どもは一人が定員だったと考えていいんですよ。

さて、そのわだかまりを解決するには許しだったり、手放しだったりってのが必要なんですが、冒頭にも書いたように癒しの世界では「親子」がまず最初にあるので「きょうだい」って後回しにされやすいんですよね。

だから、親の問題はある程度クリアしたんだけど、まだなんかしっくりこないなあ、って場合には「きょうだい」が新たにラスボス化してることもあるんです。

で、どう解決するか?

許しのプロセスをたどるのならば、

1.お恨み帳を書いて、恨み辛みや悔しさや罪悪感や嫉妬心や競争心を解放する。
2.そのきょうだいがいてくれてよかったことや感謝したいことをたくさん見つける。
3.愛情と繋がって、きょうだいとして一緒に生まれてきたことをに感謝する

ということをよく提案しています。

で、リトリートセミナーではその辺を一緒くたにまとめたロールプレイセッションができるので、鬼!と罵られても「お姉ちゃんのこと、素直に好きっていいなはれ」というセッションをするんです。

「お姉ちゃん(妹、兄、弟)が目の前に立ってると思ってくださいね。
 で、いろんなことがあったよなあ、という思いをただ感じてくださいね。
 悔しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、羨ましかったこと、嫌だったこと、憎んだこと、楽しかったこと、いろんなことただ思い出してみてくださいね。
 そして、深呼吸を大きくして、こう声に出して言ってみてください。
 『お姉ちゃん、大好き。お姉ちゃんが私のお姉ちゃんでよかった。』」

なかなか言えないんですけどね。

「大好き」よりも「ごめんなさい」が先に出ちゃう方は罪悪感が強い方。
そういう方は気のすむまで「ごめんなさい」て伝えた後、大好き!って伝えてください。

ロールプレイセッションは潜在意識まで扱えるので、
「簡単に言えると思ってたけど、全然言えなくてびっくりした」
「急に涙が溢れて来てびっくりした」
という予定外のことが起こったりします。

これを読んでる方はイメージワークとしてやってみてください。
いろいろな感情が溢れると、スーッと肩の荷が下りることも少なくないですよ。

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