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不信感がある、ということは、不信感を感じるに相応しいできごとがあった、という風に心理学で見ていきます。
じゃあ、それをどんな風に扱おうか?というのがカウンセラーの腕の見せ所ですね。
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不信感、人に近付く怖れの奥にあるもの。
リトリートセミナーでは通常のセミナーやカウンセリングでは扱えない深い心の世界にフォーカスします。
今回はセッションの一つで「不信感」というテーマを扱いました。
「人を信じられず、心の中に入れられない。」
「仲良くなりたいと思っても、心に壁を作ってしまう。」
不信感が生み出すのはそんな孤独の世界です。
●「どうして人を信じられなくなったの?」
この質問は過去のトラウマにフォーカスします。
家族。
過去の人間関係。
恋愛。
信頼してた人に裏切られた経験がある人もいるでしょう。
大好きだった人が嘘ついていて、それで傷ついてしまった人もいるでしょう。
家族との距離が空いていて寂しかった方もいるでしょう。
もし、生々しい痛みがあるのならば、そこを解放していきます。
解放する方法はおそらく何千、何百とあるんだろうけれど、私が持っているやり方というのは、
(1)人に話を聞いてもらう
(2)その時の自分に手紙を書く
(3)イメージの中でその時の自分を抱きしめてあげる
(4)ロールプレイを使ってその時の自分を受け入れ、相手を許す。
などの方法です。
感情を解放していくのでたくさん涙が出ることもあります。
これによって少し心がすっきりし、人に対して少しずつ心が開けるようになります。
●「どうして人を信じなくなったの?」
この質問は自分自身に主体性を持たせているのでさらに一歩踏み込んだ質問となります。
不信感にせよ、何にせよ、私たちは「被害者」になりやすいものです。
「裏切られた」とか「嘘をつかれた」と思うことはあっても、
「裏切らせた」とか「嘘をつかせた」と思うことは稀だと思います。
でも、人生の主人公が自分で、自分がシナリオを書いているんだとしたら、当然ですが、主語は常に私になります。
「私が裏切らせた」のであって、「相手が裏切った」のではないのです。
これは意識の切り替えが必要で、カウンセリングやセミナーやブログ/メルマガでも連発してますよね。
私のカウンセリングはおそらくここがベースキャンプ(!?)となります。
私が、に置き換えることでこの問題の責任を自分が負うことができます。
前向きな解釈ができると同時に、新しい世界の扉を開きます。
「相手が」問題だとしたら、「相手が」変わらなければなりません。
「私が」問題だとしたら、「私が」変われば済むことです。
そして、その質問からは次のようなものが見えてきます。
・自分は裏切られる、嘘をつかれるにふさわしい存在だと思っている。
それくらい自己肯定感が低いか、あるいは、それだけ罪悪感が強く、自分は罰せられるべきだと思っている。
・そうして自分を傷つける目的って何だろう?
誰かの愛を求めてる?愛してくれなかったお母さんを求めてる?
誰かを愛せなかったことで罪悪感を持っている?
誰かを助けられなかったことで無力感(罪悪感)を感じてる?
この辺から「愛」と繋がり始めますね。
だから、ここでは「自分を許す」「自分の素晴らしさ、偉大さを受け取る」というプロセスが始まります。
もう他人は関係のない「自分の世界」です。
(1)自分自身の素晴らしさをノートに書き出して眺める。だいたい100個以上探してね、と宿題で出します。みんなあまりやらないけど(笑)
(2)自己承認ワーク・・・自分を褒める、自分が頑張ったことを承認する、など
(3)イメージワークで自分を愛する、抱きしめる、優しくしてあげる
(4)アファメーション・・・「私は無罪です。私はやるべきことをすべてやりました」
(5)ロールプレイで傷ついた自分を癒し、許し、愛するセッション
あとは宿題としてよくいろんなものを出してますね。
ちなみにこの質問からはさらに深いところに潜れます。
●「あなたは人を信じることで何を恐れているの?」
単純に言えば「また傷つくことが怖い」だと思います。
もし人を信じて、また裏切られたら立ち直れないでしょう?
前も裏切られて、また今度も裏切られたら・・・。
でも、主体性を使うと違う答えが出てきます。
「もし、人を信じて、その人に強く依存してしまうのが怖い」
これはネガティブストーリー(ホラーストーリー)が描き出すものに違いありません。
過去のトラウマを乗り越えて人を信じた。
それに値する人物だと思ったからだ。
そして、その人はその通りに私と付き合ってくれた。
ところが、どんどんその人がいないとダメな自分が出てきた。
その人にどんどん依存していく自分がいるのだ。
これはトラウマが強い時にはもちろん出てくるのですが、それをある程度癒した後でも出てくるからややこしいんです。
この強い依存心というのはたいてい子どもが親に対して抱いていたものです。
そこで親がそれを満たしてくれてない分だけ、愛情に対する飢餓感を抱えます。
それが出てくるのがこの問題なんです。
「超依存、したいですか???」
「いやでーーす!!!」
それが「不信感」の理由になっていたりします。
「依存したくないから信じない。」
この心理ブロックを外すにはラスボスを許すのが一番早いんです。
たいていはそれ、「お母さん」なんですけどね。
だから、お母さんを許す、というプロセスを重要視するのです。
でも、このプロセスですごく大切なことがあります。
受け入れがたい事実なのですが、
「同じレベルでお母さんもまた傷つき、不信感を持っていた。
私とお母さんは同じ感情を感じ、同じところで苦しんでいた。」
ということ。
つまり、お母さんと私は同じ、ということ。
お母さんもきっとそのお母さんから与えられてなかったのでしょう。
無い袖は振れないとばかりに、あなたにも与えられなかったのです。
これが感覚的に理解できるとほぼ許しは完了します。
●「あなたは人を信じることでどんな風に変わると思う?」
最後にこの質問で浮上させてクロージングをします。
(ロールプレイなどのセッションをする場合は、そこで愛と繋がるのでこの質問はしたりしなかったりです)
ネガティブストーリーの極み(の一つ)が「超依存への恐怖」だとするならば、ポジティブストーリーは何?って質問です。
一旦、ネガティブなところを通ってきているので、このポジティブな質問はヴィジョンを見せてくれるものになります。
・生き方が楽になる
・人生が明るくなる
・笑顔が増える
・幸せになってもいいという許可が出せる
・人ともっと仲良くなれる
・大好きな人ができる
もっともカウンセリングのケースによっては、いきなりこの質問から入ることもありますけれど。
もし、この感覚を先に受け取れるのならば、全然痛みとか触れなくても大丈夫ですしね~。
●「どうして人を信じたいの?そんな目にあったのに?」
実はこれ、いきなりですが、深い質問なんです。
「人を信じなくなって生きられるのに、なぜ、不信感というテーマを今、ここで持ち出すわけ?」
と意地悪そうに根本さんが嬉々として聞く問いかけです。
「くーーーーっ!!!!」とクライアントさんが屈辱に顔をゆがめる姿を見るのが好きです(はあと)。
「それだけ人が好きってことだよね?人を愛してるんだよね?そうじゃなかったら、そんな目にあったにもかかわらず人を信じたいって思わないもんね!」
追い込みをかけます。
「え?まあ、そうだけど・・・」
という「くそーーっ!こいつめっ!」という表情が好きです(はあと)
じゃあ、声に出して言ってみようよ。
リピート・アフター・ミー!
「私は人が大好き!
こんな目にあっても嫌いになれないくらい、人が大好き!愛してる!
だからもっと愛したい!好きになりたい!それが私!!」
はい。このブログ/メルマガ読んでる人も声に出して言ってみて!
なぜか、涙が出て来ない?
じーんとしない?
響かない???
それが「愛」って奴だ!!!(笑)
これが分かっちゃったら、もう問題なんて存在しないからね~!!
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「不信感」一つとっても、それが人生に大きな影響を与えている感情ならば、その背景にはそれなりのストーリーがあります。
それを読み解き、点と点を結んで線にしていき、今起きていることが自然なことで、誰も悪くない、誰も間違っていない、ただ、起こるべくして起きたもの、として解釈していくのが私の作法です。
その時に痛みがあるのならば取り去りましょう、という風に捉えているんです。
もちろん、いきなり真面目に心のメカニズムを書くんだから、それなりの理由があるってことは賢明な読者ならお気付きですよね?
ちなみに私はちょくちょく本に出てくるこの「賢明な読者」という表現が嫌いでして、なぜなら、私はその意図にほとんど気付いていない「賢明じゃない読者」だからなんですね。
そう、こうした私なりの問題の見方や解決方法をお伝えするセミナーを大阪と東京で開催するんですよ。
だから、ぜひ足を運ぶといいですよ、ということが今日一番お伝えしたいテーマです。
ここが今日イチ重要な部分なのでアンダーラインを引いた上で、セミナーに申し込みと良いです。
>「セルフ・ソリューションセミナー~自分で問題を解決する方法~」
http://nemotohiroyuki.jp/event-cat/15780
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