人から色眼鏡で見られる悲しさと腹立たしさと自己嫌悪と。



心の傷を元に自分を演じるようになると、常に意識は周りの人の目に向きます。
そうして必要以上に人の目や思いが気になってしまうんですよね。
意識を改めて自分自身に向ける時間を作っていきましょう。

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根本先生こんにちは。大学四年生女性です。いつも目から鱗のブログに感動です!

私は人の疑心、本心、思考を敏感に感じ取ってしまいます。
子供の頃からハキハキ喋って目立つタイプで、先生受けは良いのですが同性にいじめられる機会が多く、そのたびに自分の嫌われやすい点を探してできる限り改善してきました。

努めて明るくひょうきんに振舞い「調子に乗ってません」アピールをしてきたせいか、いつの間にか明るく優しく楽しい何でも持ってる人というイメージを持たれるようになりました。(実際言われた事を参考に。)

本当に心からそういう人ならいいのですが、私の場合試行錯誤の末に完成した私(おかしな言い方ですが)なので、人に腹も立ったりします。ただ仲良くしたいとか人を楽しませたいと思いこそすれ、人を貶めようとか、男性を独り占めしたいなんて考えはありません。

ですが、敏感な性格上、人当たりが良いけど裏があるんじゃないか、自分の容姿について鼻にかけていないか、何かボロを出さないか 等 同性からの疑心、男性からの体に関する興味や好意等、言葉の端々や言い回し、表情、目の動きなどから必要以上に感じ取ってしまいます。

色眼鏡で見られる悲しさと腹立たしさと呆れ、半面天然モノじゃなく試行錯誤の自分なのだから疑われて当然だし、私は本当に人が思うような要素がある嫌な人間なのではと思う事があります。

どうしたら人のそういう面を見ずに済むでしょうか。もしくは見ても割り切れるようになるでしょうか。
それとも全て私の被害妄想なのでしょうか。

長々と失礼しました。
(Rさん)
***

Rさんほどではないかもしれないけれど、全員が同じようなパターンを持つと思うんです。

私たちは子どもの頃は「素」でいられました。「天然もの」だったわけです。
でも、まずは親子関係で、その次に幼稚園・保育園・小学校などの人間関係の中で、「天然もんじゃ愛されない」ということを学びます。
そうして「愛される努力」をするようになるんですね。

そうして作った愛されるための「仮面(ペルソナ)」をかぶって私たちは生きていきます。
だから、「学校では明るいんだけど、家では大人しい」みたいな、人や場所によって態度を変えるようになるんですね。

そして、大人になれば、「オフィス用の私」「給湯室用の私」「彼氏用の私」「友達用の私」「おかん用の私」「一人の時の私」など様々なバージョンを取り揃えるようになります。

そうすると間違っても「おかん用の私」を彼氏には見せてはいけないし、給湯室で後輩の悪口言いまくってる自分はオフィス内ではかわいく振る舞わなければならないのです。

この「そのままでは愛されない」というのけっこうなポイントです。

Rさんにとっては「同性にいじめられない私」が欲しかったんですよね。
裏を返せば、やっぱりいじめが辛かったんだろうと思います。

それで「いじめられない私」を作ったんですよね。
それは外向きの私なんですよね。

だから、様々な試行錯誤が必要になります。

「これ、大丈夫かな?このオプション付けたらいじめられなくなるかな?よし“明るさオプション”追加」
「ああ、こういう部分はきっといじめられるよな、タカビーに見られたりするもんな。じゃあ、“ひょうきんオプション”追加」

みたいに外の様子を伺いながら仮面を作っていきます。

そう、必然的に人の目をすっごく気にするようになってしまうんです。

そこで必殺「投影の法則」が登場です。

「自分が自分のことをすごく意識的に見ている」を周りに投影するとどうなるか?
 ↓
「周りの人が自分のことをすごくよく見ている」ように思えます。

だから、Rさんは必要以上に、周りから注目されるように感じます。
これは「自分が自分を見ている度合い」だけ強くなります。

さらには、あの人がどういう風に自分を見ているのか、あの人はどう思っているのか?などを強く意識していれば、その人の気持ちや考えていることが分かりやすくなるんですね。
元々敏感なところがあればなおさらです。

そうして、常にRさんは「周りの人」に強く意識を取られるようになるんです。
いわば、超高性能レーダーを飛ばしてるようなものですね。

だから、すっごくエネルギーを食うわけです。
疲れちゃうこと多くないですか?人に会った後などは特に。

それに、そういう風に見るとそういう風に見えてくる、という法則があります。
セミナーなどでもよく実演するんですけど、一人前に出てきてもらうんですね。

で、私がその人を紹介するんです。
「この人ね、大人しくて優しそうに見えるでしょ?でもね、実は4人も男がいるんです。ね?見えないでしょ?人は見かけによらないって言うか。
そのくせね、かなり週末はJRAに寄付するみたいで、朝から指定席求めて並んでるみたいですよ。それで以前はけっこうな借金背負ったんですよね?」

そんな風に見ると、ああ、案外、そういう人かもなあ・・・とか見えちゃうんです。
「いるいる、そんな人。全然そんな風には見えないのにすごい遊び人」とか実例が挙がってきたりしてね。

だから、「あの人私のこと嫌ってるに違いない」と言う思いで見ると、いろいろな所作からそう思える態度を抽出してきて確信するようになります。

だから、必要以上にそういう風に見えたりするんですね。

つまり、色眼鏡で自分を見てるのは他ならぬ自分自身だってことなんです。

その背景にはもちろん、あの同性にいじめられた、という思いがあります。
その痛みから自分を守るために仮面を作ったわけですからね~

その痛みが解消されないと、ずっと自分を守り続けなきゃいけなくなりますよね。
つまり、周りの目を気にしながら明るくてひょうきんで害のない自分を演じなければいけないんです。

インナーチャイルドセラピーのような方法で、その内なる自分を癒す、というのも一つのアプローチです。

実はいじめられてる自分を一番嫌ってるのは他ならぬ自分自身なんですね。
だから、何を隠そう、自分のことを自分が一番嫌っているのです。

それで自分自身を愛するためにも、このインナーチャイルドセラピーは有効です。

もし、タイムマシーンで、あの同性にいじめられてる頃の私に会いに行ったとするでしょう?
そしたらRさんはその小さい女の子にどんな風に接すると思います?
何て声をかけてあげます?

その子が笑顔になるように話を聴いたり、一緒に遊んだり、笑わせたり、一緒に泣いたりしてみます。
励ましたり、褒めたり、ねぎらったりしてみます。

時々ブログでも「当日の自分にお手紙を書いてください。でも、子どもだから全部ひらがなで」という宿題が出ていますが、これもインナーチャイルドセラピーの一種です。

さらには「魅力」に注目するのもおすすめです。
自分の本当の価値を知る、というか。

>明るく優しく楽しい何でも持ってる人

はもちろんですが、他にもないでしょうか?

よく「自分で作った仮面は本当の自分じゃない」って思う人もいるんですけど、私は「その仮面だって自分の一部から作られたものだから、それも自分と思っていい」という立場です。

つまり、Rさんの中に明るさの要素がなかったら明るく振る舞うことってできないと思うんですね。
もともと会った要素を引き延ばしたり、分厚くしたりしてるところはあるかもしれないけれど、ないものではないと思うんです。

さて、Rさんのいいところ、魅力、価値、改めて探してみませんか?

そして、それが内側だろうが、外側だろうが、自分の魅力だってことを受け取って、自信に変えていきます。

私にも素晴らしいところがある!って。

そもそも元々が「ハキハキ喋って目立つタイプ」ってことは「リーダーシップ」や「カリスマ性」の才能、魅力を持っていることが多いわけです。
このリーダーシップもある面では重たいかもしれないけれど、就活始め、社会の中では役立つこともすごく多いですね。
あと目立っちゃう人はそれだけカリスマ性や人の興味を引く魅力を持っているんです。それがネガティブに働けばいじめのターゲットになってしまうんだけど、ポジティブに作用すればとっても素敵な長所になるんです。

これは1人でやるのはちょっと難しいかもしれませんが、いいところ探し、ぜひ、意識してみてください。

さて、子どもの頃のいじめなどのトラウマで仮面を作り始めると時間を止めてしまうことがあるんですね。
つまり、そのいじめられた時代のままの感覚で大きくなったりするんです。

そうすると思春期を越えて大人になっていく自分を受け入れられなくなります。
つまり性的な魅力を纏い始める自分を許せなくなるんですね。

だから、異性の目が気になるようになるんだと思います。

「子どもなのになんで私をそんな目で見るの?」みたいな。
でも、よく考えれば子どもではないわけです。

そのギャップが「大人の男性の目が気持ち悪い、怖い」という風に思わせます。

実はこれも投影で、自分自身がセクシャルな自分を否定しているのです。

これは受け入れていく他ありませんが、そのためには「大人の女性のすばらしいところ」を見つける必要があります。

大人だなあ、と思う女性(タレントさんでも可)を探して、ぜひ、心のお師匠さんにしていきましょう。

元々目立つ人は色っぽさも併せ持つことが多いので(すなわちカリスマ性)、特に大切なテーマだなあ、と思うんです。

さて、最後に怖い話を一つ。

すっごくきれいな人が「私、そんなきれいじゃないし」って言ってたらむかつく法則、知ってます?(笑)

東大生が「ぼく、頭悪いんです」って言ってたら嫌味に聞こえる法則、とも言います。

実は魅力というのはある程度ちゃんと受け取ってないと、気付かないうちに嫌味を振りまいてることが多いんです。

だから、必要以上に自分を卑下するのは危険です。

まあ、そこが日本の難しいところで、魅力を出し過ぎても叩かれるし、出さなくても叩かれる、というややこしい部分があるんですね。

だから、ぜひ、客観的な視野も含め、周りの人に自分の魅力を聞いて回ったり、できるだけ自分を客観的に見て自信を積み重ねてみてください。

できれば、自分の信頼する人に「私」を見てもらうのもいいと思います。
人生を語ったり、素の自分を出すように心がけたりね。

そうすると本来持っている敏感なところも逆に有効に作用してくると思うんです。
自信が付くと余裕が生まれますから、相手が喜ぶこと、もっとしてあげられますよね。

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