短所(欠点)は直してはいけない(3)~短所は人と人とを結び付ける大切な架け橋~



すごく真面目で誠実できちんとしてしっかりしてそうな根本くんが商談の席で、
「実はこう見えてちょっと抜けてるところがありまして、よく忘れ物をして女房に怒られるんですよ。もし、打ち合わせの後、何か落し物があったら、ほぼ間違いなく私のものですので、良かったらご連絡ください」
なんていきなり切り出して来られたら、「へえ、そうは見えないですね~」って場が和むことってありますよね。

とっても美人でスタイルも良く、非の打ちどころもない女性が、口を開けば面白いことを連発して周りから「あの子、口さえ開かなきゃミスユニバース日本代表になれるのに!」ってからかわれてるシーン、想像できませんか?

仕事がすごくできて自分にも厳しく、部下にも威厳を持って接している上司が、実は奥さんに頭が上がらない・・・これもまた上司のイメージを和らげてくれますよね。

これらは実は極端な例。
自分はそんな美人でもなく、仕事ができないって人にとっての短所(欠点)も、実は同じように人に安心感をもたらし、親しみやすさや親近感を与えるんです。

私たちって自己嫌悪が強いでしょう?
そうすると、ついつい相手より下に下がったり、その反動で上に上がったりしやすいんです。(劣等感と優越感)

そして、相手に舐められないように、とか、攻撃されないように、とか、下に見られないように、とか防衛しながら人間関係を築いていくんですね。

要するに「構えている」わけです。

自分の欠点を晒す、というのは、相手に心を開く行為、ですよね?
だって自分の弱いところを出しちゃうんですもの。相手に突いてください、と言わんばかりに。

自分から心を開いて近づくと、相手は「自分も心を開く」もしくは「退却する」の2拓しかありません。
商談などの場合では逃げるってことはまずありませんので、あなたが晒した欠点によって、場の空気は和み、相手の緊張感を和らげる効果があるんです。

そうすると、相手も「いやあ、実は私もきちんとしてるように見られるんですけど、けっこうポカが多くて、先日も取引先からクレームになっちゃったんですよ」なんて言いやすくなり、「人間同士」の肩肘張らない場が築けます。

ところが、自己嫌悪が強いと自分は相手から嫌われるって思い込んでいますから、なかなか弱みを晒せず、むしろ強がったり、頑張ったり、自慢したり、長所をひけらかしたりしてどんどん背伸びをした、緊張した空気を作り出してしまいます。
いつまでたってもぎこちない、場の空気が固まったままの状況が作られるわけです。

あなたの短所(欠点)は人の心を和ませる役割を果たすんです。
それは「完璧ではなくていいんだ」「ちゃんとしてなくていいんだ」という「許し」を相手に与えていることになるんですね。

すごいでしょ?なんか。

「許しを与える」なんて、それだけだと大逸れたことのように感じますが、何てことない、勇気を出して欠点を晒すことなんです。

でも、そのためには自分で自分の短所(欠点)を受け入れ、許していなければなりませんよね。
自分が否定していたら、相手にも否定されると思ってなかなか晒せません。

だから、自分で自分を許しておくことがとっても大切なんですね。
それは昨日書いたように、欠点って直さなくていいんだ!って思ってるだけで思い切り許しになるんです。

「わがままでいいんだ」
「いい加減でいいんだ」
「だらしなくていいんだ」
「弱くていいんだ」
「いくじがなくていいんだ」
「怒りっぽくていいんだ」

そう自分に許可していれば、自分に許した分、人に許せます。

そして、もう一つ重要なことが・・・。

自分を許せた分、相手も許せるんですね。
だから、だらしない自分を許せば許すほど、だらしない相手の行動にイラッとならないんです。
これ、すごくないです?

そうすると、「自分も抜けてるところがあって~」「そうなんですか?僕も良くポカやるんですよ~」って会話がすごく和んで楽しくて、「ああ、むしろこの人は信頼できるな」なんて雰囲気がすぐに作れるようになるんです。

もし、あなたが短所(欠点)を直してしまったら、他人とグッと距離を縮めるチャンスを自ら放棄することになるんです。

これ、ビジネスだけじゃないですよ、もちろん。
恋愛だってすごく大事な点です。

「短所(欠点)は直すんじゃなくて、ただ許すもの。そうすると人との距離がグッと縮めやすくなる!」

今日はそう覚えておいてくださいね!

※ここで「でも、でも、私、短所(欠点)ばかりなんですよ!それじゃあ、ヤバいじゃないですか!」という方は「短所(欠点)は直してはいけない(1)(2)」を熟読下さい。

>(4)に続く
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