人との距離が、近くなればなるほど自分の思いを仲間にも伝えられない。



人との距離感は母との関係性に一番影響を受けます。
お母さんに遠慮してきたのなら、やはり他人にも遠慮して我慢してしまうことが増えるでしょう。
そんな心の処方箋をご紹介します。

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初めまして、Yと申します。
フェイスブックの知り合いの『いいね』からふと、先生の、ブログを拝見させていただいたのがきっかけで、メール登録させていただきました!
いつも、楽しみに拝見しています(*^^*)

義理の両親との揉め事、喧嘩→音信不通になってしまったのを、きっかけに色々と自分の中で深く物事を考えるようになり心理学の本や、ネットを使って調べたりなどするようになり自分の自己承認欲求の高さ 『人の目が気になりすぎる』状態、自己肯定感の低さ に気づくきっかけになりました。

医療関係の仕事をしています。
今は、結婚後小さい子供がおりますのでパート勤務といったところなのですが、患者さんに頼られるとなんだか、こんな私でこの患者さんは大丈夫なのかな?と自信がなくなり仕事が憂鬱になったり、指名をうけたりなどすると、逆に自信がなくなってしまいます。

きっと、たぶん自己承認欲求も高く、そのくせ自己肯定感が低いので、せっかくご指名をいただいた患者さんに嫌われるのが怖いとゆう心理なのでしょうか?プライドが高いのにハートが脆いなんて、なんだかもう矛盾だらけな自分です( ; ; )
こんなんじゃダメだ!と思いますし、責任を持って自信を持って仕事を全うしたいのですが、心が言うことを聞きません‥‥

今まで仕事をしてきて、仕事環境はそんなに悪い方ではなかったかと思うのですが、短期間で次の職場に変わったり、情けないことにしてきてしまったなぁーと思います。
自分がしたい事や思いをなかなか仕事仲間にも伝えきれずに、もやもやすることはあってもそれを伝えることなく段々自分の中で消化しきれなくなりめんどくさくなって、私が職場を去るパターンが多いのですが、人との距離が、近くなればなるほどそのパターンが、多いように思います。

このパターンを手放したいです。
小さい頃母のことは大好きでしたが、忙しい母でしたので嫌われないように足を引っ張らないようにと母の機嫌を伺いながら、過ごしていたかなぁという記憶はあります。

未だに母には気を使いますし、感情を遠慮なく伝えれるのは主人くらいで、主人には感謝しています。母にも遠慮している私大好きな母なんですが、未だに手放しでは甘えれない私がこのパターンときっと関係があるんだろうなぁと思っています。

もしよろしければこの繰り返しすぎたパターンを止めるにはどうしたらいいか、ご指導いただきますととても嬉しいです!
(Yさん)
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やはり人との距離感って、近い方から「母→父→祖父母・きょうだい→恋人→友達→知人→他人」という風になっているものですから(もちろん、個人差はあります)、お母さんに気を使う、ということは、一番近い人に気を使う、ということになり、それ以降の誰にでも気を使うパターンができあがってしまいます。
子宮内からの付き合いであるお母さんとの関係性が人間関係では大きな影響を及ぼすと思います。

忙しいお母さんに迷惑をかけないように、ご機嫌をうかがって来たのならば、「甘える」「頼る」ということは禁止事項となり、ずっと我慢(抑圧)されてきたんだろうと思います。
だから、今も人に頼ることは苦手だし、自分を出すこともまた不得手になるんです。

もちろん、自分が禁止していることですから、相手の中にそういう態度が見えたら困ってしまいます(嫌悪を感じます)。

「ダイエットしてて大好きなケーキを食べないようにしているのに、目の前の友達がケーキをオーダーして美味しそうに食べ始めたら殺意を感じる!」という奴ですね(長いですね(笑))

Yさんがお母さんに頼ることを我慢してきた分だけ、患者さんに頼られる(指名される)とプレッシャーを感じ、逃げ出したくなるんです。
仕事柄むりはないと思っていても、そういう患者さんの態度を重たく感じてるYさんもいらっしゃるんじゃないでしょうか?

逆に言えば、それだけ子ども時代から自立されてきた、ということです。
誰にも頼れずに1人で頑張ってきた、ってことなのです。

医療系のお仕事を選ぶ方には案外同じような環境の方も多いと思います。

そんなYさんが「何でも感情を出せる」ご主人と出会えたのは、何とも素晴らしいことだと思います。
ほんとうに彼には助けられてますよね。

まずはそんなご主人にオーバーなくらい感謝を伝え続けましょう。伝え“続ける”というのがポイントです。
これは彼を母代りにしてしまわないための処方箋となります。

ほら、彼が自分の感情を受け入れてくれるとなると、それは元々お母さんに期待していたものだから、だんだん彼に理想の母親像を投影しちゃうようになるんです。
そうすると、彼は夫ではなくて最早、母。
最近は優しい男性が増えているので、そういう夫婦も増えているのですが、それがきっかけでセックスレスや浮気の問題に発展していくことも少なくないんですね。

だから、彼が自分の感情を受け止めてくれるのは奇跡的なことなんだ!私、超ラッキー!という意識を持ち続けることは夫婦関係にとって大切なことと思います。

よくブログにもインナーチャイルドという言葉が出てきますが、「お母さんに甘えられなかった子ども時代の私をどう助けようか?」というのがそのテーマとなります。
自己肯定感が低くなってしまうのもそれが大きな原因ですよね。

また、自己肯定感が低いからプライドが高くなりますね。
自分を守るための防波堤がプライドですから。

ここでは徹底的な自己承認が役立ちます。

Yさんも自分のダメなところを見付けること、それを攻撃することは得意中の得意だと思います。
いわゆる朝飯前って奴で、かつ、目を瞑ってもできること、ですよね。
「癖」になっちゃってるんです。

だから、それはそれで放置しておいて、新たに「自分を褒めまくる」というレッスンをしていきましょう。
Yさん、何となくですけど根性はありそうなので(!?)若干ハードな課題に指定おきましょう(笑)

とにかく毎日、自分のいいところ、素晴らしいところ、頑張ったところを探してノートに書き続けてください。
1日最低10個、これを3か月続けます。
たまに飛ぶ日はあってもいいですが、意識を「短所」ではなく「長所」に向けるためのレッスンです。

これは無理やりやるのが正解です!(笑)
ちょっと体育会系のノリでやるといいでしょう。

それから、インナーチャイルドのサポートの一つとして、幼い頃の自分に手紙を書き続けるのもお勧めです。
子どもが読むんですから全文ひらがなです。大き目の字で書きます。
タイムマシーンに乗って、小さいときの我慢ばっかりしてる自分に会いに行って、そして、伝えたいことを文章にしていきます。
その時に伝える言葉は励ましや厳しい言葉ではなく、彼女を認めてあげる言葉で綴っていきましょう。
これも週に1回、2か月以上続けてください。

さらには小さいお子さんがいらっしゃるということはとてもいい時期ですね。
そのお子さんを「小さい頃の自分自身」に見立てて接する時間を作ってください。
子どもの頃にお母さんにして欲しかったことをしてあげる、とか、お母さんに言ってほしかった言葉を伝えてあげる、とか。
何よりも、優しく抱っこしてあげる時間を意識して下さい。
もちろん、これらは今もやってらっしゃることだと思いますが、それをインナーチャイルドとして実践すると自分自身にも効果的になります。

そうして、自己肯定感強化月間をスタートさせましょう。
ポイントは続けることです。
善は急げで今日から早速実践してみてください。
そして、また2か月後にその変化を実感してみてください。

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