母の反応が目に見えてる時も「さびしかった」って伝える意味はあるのか?



お母さんをイメージして「ずっと寂しかった」って伝える意味は、何もお母さんに分かってもらうためだけではないんです。
それよりも潜在意識に語りかける効果の方が多かったりするんです。

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母を許せているのに、寂しい気持ちがなくならない。」の記事、私と似た状況の方のようでとても参考になりました。

そこで質問があります。
記事の中で、お母さんに「ずっと寂しかった」と伝えてみましょう、とあります。

私は、ずっと学校で辛かったんだ、ってことを母に伝え、助けてほしかったです。
でも、もし亡くなった母に生きているうちに伝えてとしても、「あんたは、いつもそう。全然友達いないのね。お母さんは違うわ~」と言うだけなのは目に見えています。(だから生きているうちに伝えず、一人悩み泣いていました)。

それでも、ブログにあったようにイメージの中で伝えてみると良いのでしょうか?
相手の反応でなく、ただ伝えらえれなかったことを伝えるだけでよいのでしょうか?
(Kさん)
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「ずっと寂しかった」って伝えることの意味って色々あるんですよね。
特に元記事のYさんの場合は、直接感情に語りかけた方が早いかな、と思って、特に説明なしの文章を書きました。

Kさんのようにたとえ寂しかった気持ちを伝えても、どんな返事が返って来るのか分かってしまう場合にはあまり言っても意味がないように感じられると思います。
実際、「どうせ、こんな風に言われるんだしな」と思いながら言っても実は効果はあまりありません。

だって、実際に声に出す前から「分かってもらえない」「拒絶される」モードですからね~。

だけど、「ずっと寂しかった」って今、声に出して言ってみて、それを実際聞いてる奴が1人いますよね???

そう「自分自身」。

「ずっと寂しかった」ってお母さん向けの言葉なんだけど、自分自身も同時に聞くことができるので、それは自分自身にも語りかけてることになるんです。
「そっか、寂しかったんだ」って“感情的に”(すなわち、潜在意識に)理解することにもなります。

「寂しかったことくらい分かってるわ!」って思われるかもしれませんけれど、「頭で分かっているけど、心では気付いていない人」も実は少なくないんです。

同じブログの最後に「幸せになってもいい?」ってお母さんに聞くセリフがあるんですけど、これを1DAYセミナーやカウンセリングなどで声に出して言ってもらうと、「え?そんなの当たり前じゃん」と思いながらもなかなか言えなかったり、ようやく言えた後に「そっか、幸せになっていいんだ」って深く納得するシーンによくお目にかかります。

頭では「幸せになっていい」と当たり前のように思っていて、そして、そのために普段から頑張ってるのだけど、その一方で、潜在意識では全然そのつもりじゃなかった(だから現実は幸せになってない)ってことに気付くのです。

だから、「声に出して言って下さいね」って言うのは、声に出すことで自分自身に語りかける効果もあるからなのです。

ただ、Kさんの場合、なぜお母さんがどんな答えを返すのかを聞かずに分かってしまうのはなぜでしょう?
「だって冷たいお母さんだから」
「自分のことでいっぱいいっぱいで私たちのことなんて考えてなかったから」
「いつもヒステリックで被害者だったから、私の寂しさなんて受け止めてくれるわけがないから」
等々様々な理由が浮かぶと思います。

実は、その答えに確信を持てば持つほど、あることが言えるんです。

その1.お母さんとの癒着の問題。
その2.その時代から何年、何十年も経っているけれど、お母さんはその当時のまま変わっていない。

その1.癒着って言葉、私のブログでは良く出てきますが、自分と他人の区別、すなわち、自分とお母さんの感情的な区別が付かなくなっているときです。
だから、お母さんの気持ちが手に取るように分かってしまうんですね。
とするならば、自分の中にいるお母さん像はそうなのですが、現実のお母さんはもしかしたら違うのかもしれないですよね?

とりあえず、癒着してるわ~(お母さんを背負ってるわ~)と感じてる方は、寂しかったって伝える前に、癒着を手放す(切る)プロセスに取り組みたいですね。

また、その2ですが、今のお母さんもあの当時のままのお母さんなのでしょうか?年を取ると丸くなるって言いますが、何も変わっていないのでしょうか?
また、Kさんの場合、亡くなられて天国にいるお母さんもあの当時のままなのでしょうか?

変な話なのですが、「時計を止める」ということを私たちはよくやってしまうようです。
冷たいお母さんはずっと変わらない、今だってずっとそのまんま・・・って思い込んでいるんです。というか、思いたいんです。
だから、こんな話聞いてことありません?

「子ども時代はヒステリックでダメ出しばかりしてたお母さんが、孫に対してはねこっ可愛がりして全然私の時と態度が違う!」

お母さん、変わったんでしょうか?
それとももともと子ども好きなお母さんだったんだけど、自分の時は余裕がなくてあんな風にヒステリックになっていたのでしょうか?

現実はどうなのかは分かりません。
でも、本当にお母さんがその答えを返すのかは100%やってみないと分からないんですよね。

Kさんの場合、ちょっとこんな風に想像してみてください。
お母さんが天国に行って、現世に抱えていたすべての苦難から解放されたと思って下さい。
そんなお母さんが天国からずっとKさんを見つめているんです。
苦しんでる姿を見たらきっとこう思うでしょう。
「私があんなだったからKをこんなにも苦しめてしまった。ごめんなさい。」って。
生きてる間には決して言わなかったようなセリフかもしれません。

そんな風にすべてが癒されたお母さんに「ずっと寂しかった」って伝えたとしたら・・・さて、お母さんはどんな風に答えられるでしょうか?

再び自分自身に語りかける、という話に戻ります。
Kさんのような方の場合、お母さんに、というよりも、当時の自分に、と対象を変えたほうが効果的な場合も多くあります。
いわゆるインナーチャイルドセラピーですね。

ココロの中にいる当時の自分に「ずっと寂しかったよな。よく我慢したよな。頑張ったよな」ってねぎらいの言葉を贈ってあげるんですね。

そうすることで、自分自身で自分を愛してあげる、満たしてあげる、癒してあげる、ということができるようになっていきます。

さてさて、ベテラン読者の皆さんはここで「あっ!」て気付かれた方もいらっしゃるかもしれません。
「もしかして、投影ってこと??」。

そう、お母さんに対して「ずっと寂しかった」と言うんですけど、そこでイメージしているお母さんって自分自身が作り上げたお母さん像であって、すなわち、自分自身でもあるのです。(これが投影の法則)

だから、お母さんを思い浮かべて言うのと、当時の自分に対して言うのと、今の自分に言うのとはまったく同じことなんです。
ただ、対象が違うので「分かりやすい」とか「感情が動きやすい」ので「お母さん」だったり「当時の自分」にしているだけなのです・・・。

「え?どういうこと?全然分からん!」って感じられた方はここはかなり難しい話なので、すっ飛ばして頂いてOKです。

最後にモヤッとした話をして、今日の記事はここまでにしたいと思います(^^)
ごめんねっ!

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