「うまく行く」って何だろう?



「うまく行く」とは「思い通りになること」だから満たされることってないのかも。
それにうまく行かないことが充実感や達成感を作ってくれることを知ってるから、敢えて困難な道に踏み出そうとしたり。
そんな風に考えてみると「すべてはうまく行ってる」ことに気付かされるんです。

「恋愛がうまく行かない」とか「先方との交渉がうまく行った」などで使われる「うまく行く」「うまく行かない」。
これがだいぶ私たちの気分に影響を与えているのですが、そもそも「うまく行く」って何なのでしょう?

おそらく、ほとんどの場合で「自分の思い通りになる」ということだと思うのです。
言い換えれば「自分の気分がよい状態になる」ことを「うまく行く」って思っているんじゃないかな、と思うのです。

すなわち、

恋愛がうまく行く→理想的な人に深く愛されて幸せな気分でいること。
交渉がうまく行く→こちらの要求が相手に伝わって思い通りの条件で契約できること。

小さいことですが、

乗り継ぎがうまく行く→待ち時間もなく、目の前で電車が通り過ぎることもなく、ちょうどいいタイミングで電車に乗れる。

なんてこともありますよね。

ところが私たちのそんな欲求は無限なんですよね。
仮になにかが「うまく行った」とすると、「もっとうまく行きたい」と思うようになったり、別の「うまく行ってないもの」が気になりだしたりします。

そもそも欲求って満たされることを知りません。
だってお昼ごはんを食べても、夜にはお腹が空くでしょう?
昨日たっぷり寝たはずなのに、今日も23時を過ぎれば眠くなったりするでしょう?

だから、一度「うまく行く」と一瞬は満足して喜びを感じますが、その後、また次なる「うまく行く」を探し始めてしまうのです。
だから、私たちは常に「うまく行ってない」と思うようになったりします。

まあ、そういう理屈はともかくとして、子どもと遊んでると「うまく行かないことが楽しい」ということに気付かされます。
大人も同じですよね?

ゲームが好きな方なら分かると思うんですけど、すぐにクリアできちゃうゲームって面白くないですよね?
「無敵モード」のゲームもまた飽きてしまいますよね?

あれ、うまく行かないから楽しいんです。
そして、うまく行かなかったのがだんだんうまく行くようになって、でも、それでもなかなか倒せないボスがいて、悔しいからまた成長して、それでボスをようよう倒せるようになって、それが「達成感」であり、「充実感」をもたらしてくれるんです。

恋愛だって、特に私のブログの主な愛読者である情熱系武闘派自立女子の皆さんを見れば分かりますよね。
「難攻不落男」大好き。
「どうしようもないダメンズ」大好き。

うまく行かない恋愛にこそ、ついつい燃えちゃいますよね。
カンタンに落ちる男、とか、誠実で、温和で、穏やかで、優しくて、ちゃんと働いて、家族を大事にして、貯金も相応の額を持っていて、実家の親ともいい関係を築いているような「きっとこの人と結婚したらうまく行くんだろうな」という男は嫌でしょ?退屈でしょ?

そう、私たちは「うまく行かない」って不満を漏らす一方で、それが充実感や達成感をもたらしてくれることを知っているんです。

「困難を乗り越えてこそ、感動がある」
「苦労があってこその、成功である」

なんて思っていません?ドラマでも、ドキュメンタリーでも、必ず「うまく行かなかった時代」があり、それを乗り越えて今の成功がある!ストーリー好きですよね。

だとすると私たちの潜在意識は勝手に「困難でうまく行かない状況」を私たちに提供してくれるんです。

ありがたい、というか、何というか・・・。

でも、「困難」なくてもいいんです。「苦労」しなくてもいいんです。
そんなのがなくても感動していい、成功していいんです。

ここに気付くとプロセスは早くなります。

「うまく行く」というのはさっきも書きましたが「欲求」です。
だから、無くなりません。
でも、「感動」とか「成功」ってのは感情的な体験です。

ということは「うまく行く」と言う言葉をやめて「感動する」とか「成功する」という言葉に変えてみるといいんです。

「恋愛で感動する」
「取引先との交渉が成功する」
「電車の乗継で充実感を味わう」
「このゲームで達成感を得る」

そうするとよりイメージが具体化できてきませんか?(←この具体化ってのがものすごく大事)

そもそも「うまく行く」というのがあいまいなんですよね。

カウンセリングでもセミナーでも「うまく行かないんです」って言われると、私は「うまく行ってる状態ってどんな状態?」って聞くんです。

そうすると「うーん」って考え込んでしまう方が多いんですね。
あるいは答えられてもあいまいな感じの方。

あなたが感じてる「うまく行かない」を探してみてください。
それが「うまく行った状態」を細かく、具体的にイメージしてみてください。
具体的になればなるほど「うまく行く確率」は高まりますね。

うまく行かない、という状態を乗り越えると充実感や達成感や喜びや感動があるんですよね。
ならば、うまく行かないこともまた悔しいんだけど楽しめるはず。

うまく行かないことを楽しめるようになれば、きっと「すべてがうまく行っている」ということに気付けるんです。

「うまく行かないことも、うまく行ったときに感動を味わうために設えた楽しみの一つ。だから、うまく行かないことも、実はうまく行っている」

じゃあ、何の問題もないじゃん。

今日は色々と理屈をこねてしまいました(笑)

毎日使える心理学講座
○セミナー・スケジュール
○カウンセリング・スケジュール
☆根本本。
根本の著作


あわせて読みたい