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ほんとうはお父さんのことが大好きなのでその言動をすっかり真似てしまいました。
その結果、人に対して罪悪感を与えるようなことをしてしまうこともあります。
でも、その時はそうする他なかったはず。父を許し、自分を許すプロセスです。
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根本先生こんにちは!
フリーになられて、ますますノゾキの精度が上がられているようでいつもドキドキしています。
もしネタとして活用していただけそうな内容でしたら今日は罪悪感について教えていただきたくリクエストさせていただきます。
私は子供のころからずっと父親が怖く(実際大声や、手が飛んだりと厳しく育てられました)
大人になった今でも、特に仕事中に接する男性が怖くてしんどいです。
また男性から愛されるはずない!という思い込みも強く持ってると思います。
ちなみに、バツイチ子なしです。
父はもう10年以上前に他界したのですが、最近、父が遺伝性の障害を持っていたことを知りました。私自身や兄弟にその障害は出ていませんが父はそのことで幼少時代嫌な思いをしたこと、おそらく祖母を恨んでいたこと、私が子供を産めば障害の可能性があることを気に病んでいたことを知りました。
私は父のことが恐ろしかったけど、幼少のころから、心の深いところでは解りあえているとずっと思い込んでいて決して嫌いではなかったです。いえ、大好きでした。
でも父とどうして何も考えずに笑ったり楽しく話したりできないんだろう、と、ずっとモヤモヤしていました。
私は父から嫌われていたんじゃなくて、威圧されていたんじゃなくて、父が私にすごい罪悪感を持っていたのではないか?だから気楽に私と楽しくできなかったのではないかと、その障害の話を聞いたときに思い至りました。
そう思った今、急に人生が楽になった気がしています。
と同時に気になったのですが、今までお付き合いしたり距離が近くなった男性と別れる際ものすごく相手に罪悪感を与えていたような気がします。
離婚後は特に強化されてるような気がしています。
そんなつもりはなくても、そういう振舞いや表情言動をしていたというか。いややっぱそうやって責めてたかも(汗
父との関係に何か由来するものがあるのでしょうか?
今回気づいたことで、きっと解消されるはず!と思っているのですが相手に必要以上に罪悪感を与えないように、何か気を付けるポイントとかあったら教えてほしいです。
(Hさん)
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今も見てますよ。そう、あなたの右斜め上から。ふふふふふふ。
なんて冗談はさておきまして、今日はファザコンのHさんからのリクエストでした。
ありがとうございます。
私たちが意識できるのは顕在意識・表層意識と言われてるところですけれど、一方で、私たちの行動や思考を制御してるのは潜在意識や無意識の層なんですね。
だから、頭では「右へ行け!」と思っても、潜在意識「左やろ」と思ったら、体は左に進んでいきます。
だから、人は「思い通りにならない」って悩むんですけど、実際は、潜在意識や無意識の選択に誤りはなく、顕在意識が問題化してるだけなんですね。
だから、Hさんの顕在意識ではお父さんを怖れ、嫌っていた部分もあったかもしれませんが、潜在意識ではその罪悪感に気付き、だからこそ、深いところで分かり合ってるような気がしていたんだろうと思うんです(←しかし、このことに気付けているってすごいですね。それだけお父さんのことが大好きだったのでしょう)
罪悪感という感情は素直に「ごめんなさい」って言えるレベルならいいんですけど、強くなれば強くなるほど逆に「正当化」して罪悪感があることを隠します。
そして、罪悪感から自分を罰している分だけ、他人に対しても攻撃性を持ちやすく(投影するわけです)、それがお父さんの厳しい態度を作っていたのかもしれません。
Hさんがお気づきのように(←これがすごいんですよ)、そういう罪悪感を強く持っていたからこそ、フレンドリーには家族に接することができなかったんだろうと思います。
皆さんも「自分はこの人を傷つけてしまった。」という人と一緒にいるとき、親しみを込めて会話できますか?むしろ、防衛的態度(攻撃性も含め)をとってできるだけ距離を置こうとしませんか?
それが罪悪感の一つの表れなんです。
だから、お父さんはHさんや家族を嫌っていたのではなく、自分を嫌っていたんですよね。
さて、そんなお父さんのことが内心大好きだったHさんは、そのお父さんをコピーして成長します。
よくこんな例えをするんです。
「皆さんは日本語を話されますが、3歳の頃から日本語学校に通ったのでしょうか?」
私たちは言葉を身近にいる人から学びます。
あなたのお母さんが日本語を話していたからこそ、あなたも日本語が話せるようになったんです。
でも、真似るのは言葉だけなんでしょうか?
そう、価値観、モノの見方、行動様式などありとあらゆるものを親から真似て私たちは育っています。
お父さんのように歩きたい!と思ったから歩けるようになり、
お母さんのように話したい!と思ったから話せるようになっているんです。
Hさんがお父さんのことが大好きだったとしたら、そのお父さんの罪悪感もきっとHさんは引き受けています(それはお父さんを助けるため、お父さんの荷物を軽くするためでもあります)。
そして、お父さんが罪悪感から相手にきつい態度を取るのだとしたら、Hさんも無意識のうちに罪悪感から相手に攻撃的になってしまったのかもしれません。
それで、相手に罪悪感を与えるような別れ方をいっぱいしてきたんだと考えられます。
いわば、お父さんの生き方を真似てしまったんだろうってことです。
もちろん、別れる際に相手に罪悪感を感じさせるような行動を採ってしまうには別の理由も考えられます。
「男性への恨み辛み」ですね。
潜在意識の別の側面では、手をあげられたり、大声でどなられたりして傷ついているHさんがいます。
そこでちゃんと愛してくれなかったお父さん(男性代表)に恨み辛みを持っていたり、また、傷ついた被害者意識を持っていると、お父さんを投影する男性陣に復讐心を持ちます。
それで、別れる際に罪悪感を植え付けるような態度を取ってしまうんだろうと考えられます。
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でも、原因はどうであれ、全然それは悪いことではありません。
そうする他仕方なかったんですもんね。
今から思えば、彼らに罪悪感を与えるなんてひどいことだって思うかもしれませんがその時は、それ以外の選択肢はなかったはず。
彼らに心の中で謝罪することはもちろん素敵なことですが、自分を責めることはまさに罪悪感の罠に引っかかってると言えるでしょう。
仕方なかったんだからしゃあないやん、と開き直る必要はありませんが、それ以外にできなかったんだよな、と自分を受け止めてあげて頂ければ幸いです。
少なくても男性たちに酷いことをした、と気付いてる時点で、その当時の自分より成長してるんですよね。成長してるから、そのことに気付けているんです。
さて、そんなHさんにカンタンな課題を出しておきましょう。
こういう時、お父さんが亡くなってるとある意味楽ですね~
(私も父をすでに亡なくしているので、父を許すプロセスはやりやすかったです(笑))
お父さんに「娘から父への愛の感謝の手紙」を書いてください。
大好きだった、愛していたって。
こんなところが好きだった、こうしてもらえて嬉しかったって。
これを週に1回、2か月ほど続けてみてください。
また、今まで傷つけて来た可哀想な男どもにも慰みを分けてあげましょう(笑)
彼らへの謝罪文ですね。もちろん、渡さなくていいです。
これは気持ちがすっきりしたな、というまで繰り返してください。
そして、さらに離婚時の私へ、子ども時代の私へ、それぞれ1通ずつお手紙を書いてみましょう。
これはできるだけ彼女たちを「許す」目的で書いてみてください。
あなたは悪くなかった、そうするしかなかった、良く頑張った、よく耐えた、本当はお父さんのこと大好きなんだよね、って。
子ども時代の私あてのお手紙は平仮名で書くといいでしょう。
こうして罪悪感をクリアリングしていきましょう。
お父さんへの手紙は可能であれば仏前、もしくは、お墓にあげてくさい。
そうすることで、きっととても生きやすくなっていくと思います。
罪を憎んで人を憎まず、という言葉があります。
罪を憎むかどうかは別として、自分自身を憎まないのはすごく大事なこと。
それを受け入れていきましょうね。
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☆根本本。