悩みが楽になってきて穏やかな時間が続くと違和感を感じて壊したくなる。



痛みや悲しみ、苦しみこそ「生きてる!」感を味わえる出来事。
だから、ついついそれを求めてしまう人は今生、とてもやる気を持って生まれてきた人。(若干、スピ系の話含む)
癒されて行っても問題は出て来るし、また助けてあげたい人も出て来るから、そのまま突き進んで大丈夫。

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お聞きしたいことがありリクエストを送りました。悩みが楽になってきた時に感じる違和感についてです。

大失恋後の鬱病やら、パートナーのDV、ヒステリックな親のトラウマなど、この10年近く、死にたいという想いやどうしようもない孤独感、自分には何も価値がないという想いに振り回されていました。相談できる友達もおらず、あまりに苦しく、感情なんて消えてしまえばいいと、心を殺す練習をたくさんしました。その成果か、いっとき、何も感じなくなりました。

そんなときカウンセリングに出会いました。感情が生き返り、私は辛かったんだ、悲しかったんだと深く感じてたくさん涙しました。そしてカウンセラーさんにたくさんの感情を受け止めていただいたころから、アップダウンは激しいながらも、少しずつ、死にたいという思いはおさまってきたのです。自傷行為もかなり減りました。時折噴出する親への怒りや、元彼への恨みは、私もお悔やみレターを実践しています(筆ペンで)。

ところが、元彼や親への恨みをふと忘れたり、仕事も特に問題なく進んでいる…いわば心が穏やかな時間が続くと、ものすごく違和感があるのです。あれ、なんか変じゃない?これ、ほんとうに私?と。

怒りや悲しみに振り回されず、泣いたり怒ったりもせず、なんのトラブルもなく1日を終える…。私が望んでいた穏やかな日々のはずが、すごく変な話、鬱で死にたい消えたいしか考えられなかった頃や、身体がボロボロになるまで働いていた時、自傷行為を繰り返していた時期や、人間関係の悩みで毎日泣いていた時のほうが、生きていた感じがするんです。本当、おかしいと思うのですが。

もう二度とそんな地獄繰り返したくないくせに、ずっと苦しかったのが当たり前すぎたのか、穏やかな時間が来ると、なんか落ち着かない…異常事態だ…と、勝手知ったる我が家?(不幸)に帰ろうとしてしまうんです。私の予想ですが。

そしてそんな時は、見透かされてるようなタイミングで、本当に辛いことが立て続けに起きます。

じゃあもし私が不幸でいたいとしたら、なんで?とも自分に聞いてみました。
出てきた答えは「不幸でいることで誰かに甘えていたい、助けてほしい」でした。

今年カウンセリングに出会ってから、頼れる人がいること、抱きしめてくれること、私のこんなドロドロ暗い感情を受け止めてくれる人がいることを知り、涙が出るほどあったかく、嬉しかったです。助けてなんて言ってはいけないと思ってたし、本当に助けてくれる人がいるなんて、ずっと信じられなかったので。。

だからきっと、幸せになったらもう助けてもらえない、また一人になってしまう、と怖いのかもしれないです。私が辛いからみんな優しくしてくれるんだ、と思ってしまいます。
長い文章を読んでいただいてありがとうございました。たくさんのリクエストがあると思いますが、いつか取り上げていただけると幸いです。
(Mさん)
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Mさんのお話は人の心のとても深い部分をうまく表現されてると思うんです。
ほんと、人ってこうだよな!!!ってお話なんです。

そして、

>鬱で死にたい消えたいしか考えられなかった頃や、身体がボロボロになるまで働いていた時、自傷行為を繰り返していた時期や、人間関係の悩みで毎日泣いていた時のほうが、生きていた感じがするんです。

これ、ほんとうに真実なんです。
苦しんでる時、悲しいとき、辛いとき、痛いときに私たちは「生きてる!」って感じちゃうんです。
だから、生きてる実感を感じたいとき、人は「喜び」ではなく「痛み」を感じようとするんですね。

「これ、夢じゃないかしら?」って思った時、頬をつねり、「いたっ!」となったら、「あ、夢じゃない」って感じる伝統ってあるじゃないですか?
これってまさにその象徴ではないでしょうか。

今日は少しスピリチュアルなお話をしましょう。
心理学で言えば無意識の世界の話。

私たちは生まれる前に人生のシナリオを決めて生まれて来るそうです。
どんな母親で、どんな人生を送るのかを。
あの世からすれば、人生というのは遊園地みたいなもので、ありとあらゆるアトラクションが用意されてる、すごく楽しい場所なのです。

皆さんがもし遊園地に行ったら、どんなアトラクションを選びますか?
「あの新しいジェットコースター、めっちゃ怖いで」って聞いたら、ものすごくゾクゾクしませんか?
「あの新しいアトラクション、全然怖くなかったなあ」って聞いたら、興味持ってたものでもシュンとなってしまいませんか?

あの世はとても平和なところだそうです。
争いもない、ただただ幸せな世界。
何の問題もない、ほんとうに穏やかでいい世界。
ただ一つ、問題があって、それは「退屈」だってこと。

だから、不自由な肉体という制限を持ち、また、時間やお金といった制約条件のある「人間界」という世界にすごく憧れを持ち、「生まれる」ことを選択してくるそうです。

その際、この人生を思い切り楽しむために、いくつものアトラクションを事前予約してくるんです。
そういう目で見れば、ハードな家族、病気や怪我、失恋、離婚、などのアトラクションってものすごく“人気”だと思いませんか?
めっちゃチケット売り場に行列ができてると思いませんか?

だから、今世、ものすごく大変だな、と悩み多いし、辛いな、という方は、「ものすごくやる気満々で人生って遊園地に乗り込んできた情熱の女(男)」って言えるわけです。

Mさんもまた、超やる気でこの人生に乗り込んできてるわけです。
だから、「問題が無くなる」と「退屈」になってしまって、いろいろと問題と起こそうとしてしまうわけです。

もちろん、この話は信じられなくても構いません。
でも、「一つの見方」として捉えられてはいかがかな?と思うんです。
へえ、そういう見方もあるんだ・・・と。

さて、Mさんがご自身で聞いてみたように、皆さんも「なぜ、自分は不幸を選ぶんだろう?」って自分に聞いてみるといいと思います。

Mさんと同じく、「自分がしんどかったら、誰かに甘えられるから。誰かが助けてくれるから」という答えが返ってくること、意外と多いと思います。

そして、これもまさに“人の心”なんです。

「病気になったときにいつもは怖いお母さんが優しく看病してくれる。」としたら、お母さんに優しくしてほしいときに私たちは病気になるんです。

また、カウンセリングを受けて、感情を取戻し、楽になってきたMさんが、このまま幸せになっていくことを怖れるのも無理はないんです。
なぜかと言うと、今までは不幸であることが自分の存在意義で、それが自分自身だと思ってきたわけです。

だから、不幸じゃない自分って自分じゃないように感じて抵抗が出てきますし、不幸にしていたからこそ成り立っていた生活に変化が訪れることを怖れますし、さらには、不幸であることがコミュニケーションツールだったわけで、それがなくなることに不安を持ってしまうんです。

「もし、幸せになったらカウンセリングに来れないんですよね?」というクライアントさんの話を幾度となく耳にしてきました。
そんな時、私はこんな話をするんです。

「幸せになったら、もっと幸せを感じたい~!ってカウンセリングに来れるから大丈夫ですよ(^^)」て。

幸せになったとしても、まだまだ上がある、というか、人の欲にはキリがない、というか、ほんと次から次へと課題はやってきます。

「前よりは全然苦しくないんですけどね、ほんと前に比べれば全然楽なんですけどね、でも、今、こんなことが気になるんです」
ってカウンセリングも多いですよ。

それが必ずしも重箱の隅を突いた「不幸探し」になってしまってるわけではなく、純粋な成長欲求のような形で出てくるんです。

それと、幸せになったら、今度は助けてあげたい人も出てきます。
昔の私に似た人との出会い(というアトラクション)が待ってるんです。
また新しいつながりがそこから生まれます。

もちろん、その時になってみなければ分からないのですが、ぜひ安心して、自分を癒すプロジェクトを進めて頂ければ幸いです。

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