本棚の整理。



ふと思い立って本棚を整理した。夏ごろから読まなくなった本を処分しようと段ボールに詰めていたのだが、今日、ようやく本格的に断捨離に励むことにしたのである。
幼少期より「本代には糸目を付けない」という主義で、酒代、食事代、CD代以上に、緩い基準で本を買い漁って来た。つまり、気になる酒を見つけても値段が高ければ迷った挙句、買わないことも多いのだが、それが本の場合は躊躇なくレジに足を運ぶ、ということである。

しかし、案外1回しか読まなかったり、マイブームが去って読む気が失せたりしている本もかなりの数に上る。だから、本棚がいっぱいになるとブックオフに買い取ってもらうわけだ(というか価値のある本なんて少ないからほとんど処分してもらう、という感覚だが)。


今回は私至上最高に本格的にやってみて、必要な本を残し、並べ替え、そうでない本は思い切って段ボールに入れることにした。
とてももったいないような気もするし、一方では、気持ちがすっと軽くなる一面もあった。

本棚を整理すると自分たちの趣味がよく分かる。
圧倒的に多いのは小説である。その中でも浅田次郎、よしもとばなな両氏の本がかなり幅を取っている。つづいて、江國香織さん、伊坂幸太郎さん、東野圭吾さんに宮本輝さん。最近は原田マハさんの本が着実に縄張りを主張し始めている。

カウンセラーではあるが、心理学系の本はそれほど多くない(汗)それよりも若干スピ系だったり、柔らかな自己啓発系の本が多数を占めていて、「カウンセリング」よりも「セラピー」や「ヒーリング」に志向しているのが分かってしまう。やはり、私は理論はあまり興味がないみたいである。

全体を通してみても「女性性」的な本が多いことに気付かされる。男性性の代表格であるビジネス書やハードボイルドな小説はほとんど存在を見ない。とはいえ、かつては日本のハードボイルドの先駆けと言われる大藪晴彦氏にハマり、100冊以上読み漁った時代もあった。人は変わるのである。

旅の本は・・・今回思い切って3回以上読んでない本は処分することにした。大英断である。沖縄本だけで数十冊を段ボールに放り込み、一握りのお気に入りの本のみを残すこととした。処分した本も多いが、何度も読み返している本も多い。旅好きな私(と妻)にとって、自宅に居ながら魂を飛ばせる旅の本は大切な癒しのツールでもある。

さて、そんな郷愁に浸りつつ、泣き喚く二歳児を払いのけつつ、段ボール2箱に何とか収めることができた。集荷に来てくれる宅配便のお兄ちゃんを泣かせることになるかもしれないが、我が家の書棚はこれで当分の間、余裕を維持できるだろう。

心理学的には本や部屋を整理すると潜在意識の整理整頓に繋がるという。さしあたって部屋の中央に陣取っていた段ボールが無くなったことと、書棚にスペースがたくさんあることで、気分はすっきりしている。そして、もちろん嬉しい。

しかし、一つ整理すればまた違う場所が気になるのも人のサガであろう。

眼を書棚の反対側に向ければ、なかなかいい感じに荷物の乱れたラックが待ち構えている。次はこいつか・・・と思いながら、とりあえず現実逃避に文章でも書くことにした。

ともあれ、本棚がすっきりした。とても嬉しい。


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