東京カウンセリングルームからバスで羽田に行ってみる。



東京から大阪への帰り道。
あまり知られていないのであるが、実はカウンセリングルームから徒歩1分もかからない所にバス停がある。
だいたい毎時9分と39分に渋谷行きのバスが出ていて、本数は少ないがこれが意外と便利なのである。
前回もこれで渋谷まで行き、そこから山手線~東京モノレールを利用して羽田に向かった。


しかし今日はちょっと工夫を凝らして、さらに渋谷からバスで羽田に行こうと目論んでみた。東急バスの時刻表を睨めば、渋谷駅西口発9:45の便があり、これに揺られれば遅くとも11時には羽田に着き、スムーズに11:30の便に搭乗できるだろうという算段である。

しかし、バスであるからして時刻表は全然アテにならない。小田急の踏み切りで捕まったのか、水道工事の影響なのか、はたまた渋谷界隈が非常に混んでいたのかは知らないが、9時9分発のバスがよりによって20分も遅れてきた。
いきなりの出遅れである。
この路線を利用される9割以上がお年寄りといっても過言ではないのだが、バスを待ちながら井戸端会議をしていた品のいい山の手のおばあさま方も「あら、バス、遅いですわねぇ」と言い出し、バスが来る方向をじーっと見始める始末であった。

しかし、日ごろの行いが良いせいか、渋谷に着いてバスを降りると9:40。なんと、バスが遅れたことで羽田行きのバスにスムーズに乗り継ぐことができたのである。
これは恩恵である。
10分経ってもバスが来ない時点で、もう羽田行きのバスは諦め気分であったから、今日は特にツイてる日と言えるに違いない。

と、同時に道が普通に流れていればカウンセリングルーム前のバス停から渋谷まではものの10分で着くことも分かった。非常に近い。これが電車ならば、徒歩で10分かけて駒場東大前に向かい、そこから井の頭線で2駅かけなければいけない。
今後、五反田のセミナー会場に向かう際も、このバスを使おうと決意した。

そして、渋谷を発した羽田行きのバスはすぐに運命の首都高に乗る。途中、道が大渋滞していて私の乗る飛行機が飛び立とうとしていても、まさか首都高をスーツケースを引きずって走るわけにはいかない。
もうまな板の上の鯉である。

しかし、今日は非常にツイている日である。首都高はとてもスムーズに流れ、美しい人工都市の合間を縫ってあっという間に羽田に着いた。
ものの3、40分程度であった。
途中、レインボーブリッジを渡り、お台場を疾走するバスから眺める車窓は胸がスーッとするほどの美しさである。湾岸沿いには新しい高層ビルがひしめき、そこに立てば怖ろしく無機質な空間だったとしても、遠くから眺めてみれば、青い空と海とその人工物のコントラストはとても美しく、芸術品のように目に映える。

そんな景色にうっとりしながらもバスは高速をかっ飛ばし、いつもこうとは行かないだろうけれど、結果、カウンセリングルーム前のバス停「代々木上原」から、羽田空港第1ターミナルまで、1時間かからずに到着してしまったのである。
これは井の頭線~山手線~京急を乗り継ぐよりも早い。私のお気に入りの東京モノレールを使うよりもずっと早い。

しかも、このアプローチは非常にマイナーと見えて、どちらのバスも空席が目立つ。
重い荷物を持って駅の階段を上り下りしなくていいし、混雑した車内で「何、でかい荷物持ってんだよ」という視線に怯えることもない。
ただ、じーっと座って、ぼーっと車窓の眺めに見とれていればいいのであるから、この上ない手段だと悟った。

よって以後は、路線バス~空港バスを乗り継ぐという、東京の、それも都心に居住しているとは思えない方法にて出張しようと思う。

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