名古屋の夜景とプロ(職人)のお仕事



朝起きたら、窓の外に雪山が見えてビックリしました。
昨日の雨で空気がさらに澄んで、遠くの山々まで見通せるようになったのかもしれません。
とてもきれいなので、例によって写真を撮ろうと思ったんですけど、遠すぎて写りません。

でも、窓の外をぼーっと眺めていると、太陽の光を浴びてマンションやオフィスのビルがきらきら輝いていて、気持ちよい眺めでした。

#連日の夜遊びのお話ですので、最初はさわやかに始めてみました・・・(笑)


そんなこんなで無事、名古屋出張も終わりました。

ほっと一息のんびり過ごしたいなあ・・・と思って金山の街へ出ると「三福」という鰻屋さんがまだのれんを出してました。
熱田の蓬莱軒には行けてませんが、この店のひつまぶし(このお店では“釜まぶし”というメニュー)も美味しいので、コンビニ弁当やインスタントラーメンばかりの食生活から脱する目的で古びた戸を開けてみました。

金山周辺には知らないうちに今時のオシャレな創作居酒屋さんがたくさんできていて、興味を惹かれる店も少なくないのです。
・・・が、一人で入る勇気ってなかなか無いんですよね・・・。
出張先での個人的な“飲み会の集い”を真剣に企画しようかと考えたくらいですから、メニューを眺めたり、店の前を行ったり来たりはしても、扉を開ける勇気はなかなか出ません・・・。

でも、鰻屋さんなどのお食事処ならば一人でも大丈夫ですもんね。
閉店時間が気になりましたが、おばあちゃんとおばちゃんに歓迎されて7席ばかりのカウンター席に通していただきました。

その風情やおばちゃんの愛想などを見てると、とてもここが名古屋だとは思えず、非常に居心地が良かったです。
気軽で、優しくて、あまりに落ち着くので、そのまま寝てしまうんじゃないか?って思うくらいゆったり過ごさせていただきました。
何でしょうね、この、民謡をBGMに、神棚には今宮戎の笹が置いてある、非常に安らぐ空間というのは・・・。

・・・。

そっか、それだけ年取って、オヤジになったということだな・・・(苦笑)

でも、こういう年の取り方は悪くないなあ・・・とビールを手酌しながら、パリパリしためちゃくちゃ美味しい鰻を頬張りました。
心を込めて丁寧に調理されてるのが伝わってくる味で、おやじさんの態度やおばちゃんの気持ちに涙が出そうなくらい嬉しかったです。
職人の仕事は、やはり、心に響くものですね。

またも“嫁に食わせたい味”にめぐり合ってとても嬉しいです。

で、そんなオヤジはホテルの最上階にあるバーへ向かいます。
相変わらず美しい夜景を見てホッとすると同時に、ひたすらぼーっとできて嬉しい時間でした。
バーのカウンターからは名古屋港側の夜景が見渡せて、きらきら揺らめく街の光に
「ここで口説かれたら、女性はみんな傾くのかなあ・・・」
などと思うんですね。

でも、疲れたオヤジはただひたすらボーっとしながら、バーテンさんのプロの仕事を味あわせていただくわけです。

1月ということで、なんとバーなのに“日本酒フェア”をやってまして、愛知県では手に入らないお酒を全国から集めたとのこと。
リキュールグラスに日本酒を注いでもらって、そのとても新しい世界を楽しみました。
ほんと不思議な感じがして、今度、家でもやってみたいと思います。

バーテンさんのお話によれば、やはりバーで日本酒を供するためには上層部に企画書を通したり、シェフを説得するのに相当気合が必要だったようで、そんな苦労談を肴にグラスを傾ければ、必然とそのお味にも磨きがかかるというものです。

一人で飲んでいると寂しそうに見えるのか、いつもバーテンさんが話しかけてくれるんですよね。
「今日は何も話さずぼーっとするぞ!」
と決意してやって来ても、ついつい話をあわせてしまったり、気の利いた話の一つでもしなければ・・・とネタを繰ってしまうのです。

でも、こういう時にはなかなかアドリブでいい話をするのは難しく、自分のコメント力の無さを思い知らされるんですよね・・・。
職業柄なのかバーテンさんに質問して色んな話を引き出してしまい、雑誌のライターさんと間違えられたりしたこともあるのですが、だらだらと取り留めない話をするでもなく、かつ、無愛想にもならず、ちょうどいい感じで、その場に溶け込める会話ができることにとても憧れるんですね。

こういう仕事をしていると、ついつい“話を聴くこと”が癖づいてるので、自分が一方的に“話をする”というのは意外に苦手なのかもしれません。

今日もそんな風に微妙な間を感じつつ美味しいお酒を頂いていると、ちょうど隣の席にスキンヘッドな男前の外国人がいらっしゃったので、その立ち居振る舞いを見て、ふむふむ、と勉強させてもらいました。
ギネスビールを飲む、その姿勢からも“かっこいいオヤジ”匂いがぷんぷん漂ってきます。
なんだろなー、その雰囲気を作るコツは・・・。
生き方か?ポリシーか?

ま、少なくてもこんなに人に気を使ってしまってたら、あかんのかな?などと頭の隅っこで考えつつ、広い空間の、きれいな夜景の中ですっかりリフレッシュさせていただきました。

今日はほんと素直に手を合わせてしまうくらい、美味しいお持て成しをしていただたような気がしました。
やはりサービスというのは心がこもっていてナンボですよね・・・。
学ぶところは、非常に大きいです。

なんてことをぼーっと考えながらチェック(お勘定)をしてもらったら、バーテンさんに
「とてもいい空間を作ってらっしゃいましたね。私どもとしましても非常に嬉しい限りです」
などとお褒めの言葉を頂いてしまい、エレベータ前でえらく恐縮して挙動ってしまいました・・・。

営業トークかもしれないけれど、そう、持ち上げられたら悪い気はしないものです。
また次回の滞在時には顔を出そう・・・っと思いました・・・(笑)

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