風呂上がりの幼児について。



相変わらずパパを乗り物と勘違いしてすぐに抱っこを要求する4歳男子は遠慮というものを知らない。風呂上がりにはちゃんと体を拭かないと体も冷えるし、床に水滴を撒き散らして(親も家も)大変だという大人の配慮などどこ吹く風で、タオルを構えて拭いてあげようというイタイケなパパに突撃して抱きつくのである。そして、物理の法則に則り、あわれパパは水浸しになるのである。

しかも、その後「逃げるー」と言い残してダッシュしようとするわけである。技を繰り出す前に技の名前を言っちゃうヒーローみたいな気もして素直でかわいいのだが、ここで逃げられては家中が水滴で彩られてしまう。ふだんから家の中を追いかけっこして遊んでいることをこのときばかりは反省する。

しかし、そこは奴を育てて4年のベテランパパである。逃げ出そうとする4歳児を私は瞬間的に捕獲する。ミニバスケットの県大会ではディフェンスにおいて目立った活躍が出来なかった私も、この幼児を即、確保し、ガードする技術ではレギュラーになれるのではないかと思うほどの身のこなしである。

さて、捕獲した幼児は既に丸裸であるので、むしろ、服を着せるのが次なるミッションである。
これがまた難解を極める。
私にとっては「風呂上がりには体を拭いて服を着る」という単純な行為なのだが、それが4歳時の頭ではなぜか「服を着せないように身をよじらせ、床に転がり、万が一服を着せられた場合には即座にそれを脱ぐゲーム」に変換されているようで非常にタチが悪い。もっともパパはパパで即席のBGM(非売品)にてゲームを盛り上げようとする傾向があり、なんとなく自業自得のような気がして少し反省する。

そして、「逃げ惑う4歳児に寝間着を着せるゲーム」に完全なる勝利を収めたパパは、再び「逃げるー」と敗北の反省も見せずに走り出す4歳児を再び捕獲すべくリビングルームへと走り出すのである。もちろん、これは純粋なる追いかけっこであり、ママに怒られるか、パパが年齢を感じてギブアップするまで続けられる。

こうしてますます明日の風呂上がりの難易度を上げている次第であり、つくづく自業自得なのである。

とはいえ、相変わらず寝るのはママとじゃなきゃ嫌なわがまま坊主であるのでパパはここでお役御免である。
「blog書いたりしたいのにー」という妻にやんちゃ坊主を委ね、私は一息ついて寝室に向かう。次なるミッションは6年生の娘のリクエストにより添い寝をすることであり、そうして我が家の夜は騒動のうちに静寂を迎えるのてある。


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