娘を素直に愛せない私はダメなママ?



長女を愛せない、というママからのご相談はとても多いです。
なぜかと言うと彼女には自分自身を投影しているから。
だから自分を愛すること、自分の母親との関係性を癒すことが解決への道になります。

この間の東京1DAYワークショップでもこの話題は出てきましたし、カウンセリングでも頻繁にお伺いしますし、家に帰れば奥さまがよく悩んでいたテーマでもあります。

よくあるケースとしてはこんな感じです。
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娘、息子の2人きょうだいのママからのご相談。
いつ頃からか(息子が生まれてから!?娘が反抗期に入ってから!?)、娘のことが苦手に感じるようになり、スキンシップにも抵抗がでてきた。
娘が甘えて来ても素直に受け入れられず、でも、拒んでは傷つけてしまうと思って我慢してぎゅーっとしてあげている。
しかし、それすらできないときもあってひどく自己嫌悪してしまう。
娘も女だから口が立つので、何かしら癪に障ることを言って来て大ゲンカになることもしばし。
その時、本当にムカついて心から憎んでしまう時もある。
でも、後から本当に自己嫌悪。
それに比べて息子の方は異性ということもあって可愛いし、同じことをしていても全然許せてしまうし、甘えて来られても平気どころか嬉しくて躊躇なくぎゅーっとできる。
でも、その姿を娘に見られてると思うと・・・やはり申し訳なくなる。
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これを読まれて「え?私のことだ・・・。根本さん、見てたの?」なんて思われる方がものすごくたくさんいらっしゃると思います。

はい。見てますよ。今も冷蔵庫の上から見てますよ(笑)


「娘、息子」の場合は、男女の違いもあって顕著に傾向が出やすいのですが、「娘、娘」の場合でも同じことがよく起きてるみたいですね。
また、「娘、娘、息子」などのケースだと、上の2人の娘が両方NGになってしまってることもありました。

そんなご相談をして下さったMさんからメールを頂きました。

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子どもたちのスキンシップ、受け入れられるようになりました!ほんと、不思議なんですが、娘たちがベッタリ甘えてきても、拒否反応が出ないんです。それどころか、とても愛おしく思って、抱きしめたり、なでてやったりが心地よく出来るようになりました。あまりに喜ぶ娘たちに「いい顔してるね。」と言うと、上の子が、「お母さんもね。」と言ってくれました。数日前には考えられなかった楽しい毎日を過ごせるようになりました。
ブログで、子育てにも正解はないと教えていただきましたが、その点で気楽な子育てができるように感じています。肩の荷がおりた、というか…。今まで、こうでないと…とか、自分で自分をがんじがらめにしばっていたんだと思います。
今まで子育てが楽しいと思えなかった私ですが、今は3人の子どもたちと一緒にいるのがとても楽しく感じます。本当に先生のおかげです。ありがとうございました!
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こちらこそ、ありがとうございます!
良かったですね~(^^)
すごく喜んで頂けて嬉しいです。
ほんと素晴らしいことですね。

さて、今、娘さんを愛せなくて悩んでいる、自己嫌悪しているママの皆さん。
大丈夫ってことです。
何とかなるってことです。
自分の心次第で。
Mさんのように急激に、鮮やかに変化が出ることばかりではないのですが、今の状況は改善するんです。

そう思うだけでも少し心が穏やかになりませんか?

もちろん、Mさんだってこの先ずっと娘さんたちと仲良くできるか分かりません。
また再び「あいつらめっちゃムカつく!!!」という日も出てくると思います。
でも、この経験がきっと救ってくれますね。
また仲良くできるって。

そもそも娘のことを素直に愛せないというのは私からすれば「ごく自然なこと」だと思っています。

ママにとって第一子の長女は「自分自身」です。
ご自身が長女ならばなおさら「自分自身」ですし、仮に自分が次女であったとしても長女には「自分自身」を投影しやすくなります。(もちろん、次女は次女に自分を投影するケースも多々あります)
時にはママの中のインナーチャイルドそのものであることも少なくありません。

ママの皆さん。自分のこと、どれくらい好きですか?
実は、自分のことを愛せない分、自分を投影する娘に嫌悪感を覚えるんです。
これが一番のポイントです。

あ、また、ここで自分を責めないでくださいね。
そうなるのは、あなたがふつうの人間だからなんです。

冒頭に「ごく自然なこと」って書きましたけど、だからなんです。
自分のこと100%好きな大人ってあまりいないと思うんですね。
ある程度好きでも、どこか許せないところ、嫌いなところがあるものです。
それを奴(娘)はピンポイントで突いてくるわけですよ。

例えば、自分は感情的で怒りっぽいからもっと大人にならなきゃ、と思ってるところで、娘が訳の分からないことでわーわーぎゃーぎゃー泣いてるとします。

自分が「感情的ではダメだ」と思っているところに、娘がその感情をあからさまに出してるわけですから、ムカつくのが人の情ってもんです。

娘のどこが嫌なのか?を見ていくと、出てくるのは自己嫌悪しているポイントばかりです。

すなわち、自分に禁止したり、自分を攻撃していたりすることを娘がしているからムカつくんです。

だから、このブログでもよく書いていますが、自分を愛すること、自分を好きになることが大切なんですよね。
自分を好きになればなるほど、娘のことも大丈夫になっていきます。

しかも、第一子って初めての子育てでしょう?
日々これでいいのか?あれでが良かったのか?葛藤しながらの毎日だと思うのです。
全然自信がないわけですし、むしろ、不安と緊張の方が強い人もいると思うのです。
そしたらね、言うこときいてくれないと「私がママだから?」って自己嫌悪をまた直撃してくるわけです。
だから、そういう時「私はダメなママなんだ」って思っちゃいませんか?
いえいえ、それがふつうなんですよね。

それに加えて元々自信がないタイプの人ならね、なおさら自己嫌悪が強まるのが子育てなんです。

そして、娘は無意識的にあなたの子ども時代を思い出させる存在です。
もし、あなたが子ども時代、自分のママに言いたいことが言えずに我慢ばかりしてきたとすると、自分の娘が言いたいことを我慢してるような姿を見るとドキッとするんです。
「あ、同じことが起きている。いけない、いけない。こんな大人になってしまう」と自己嫌悪が出て来るんです。

つまり、あなたと娘の関係性は、あなたのママとあなたとの関係性を強く反映してるんです。
だから、時に子育ての相談に来られたのに、ご自身の母親と向き合うハメになったりします。

自分の母親を許せない分だけ、自分は完璧な母親になろうとします。
「あんな母親にはならない!」ってルールに縛られるのです。

あなたのお母さんとの関係は今、どうですか?
あなたの子ども時代、お母さんとはどうでしたか?

娘との関係を見つめ直す前に、母親との関係を見つめ直した方が効果的なケース、いっぱいあります。

娘が自分の嫌なところばかり似てるように見えることってないですか?
なぜかと言うと、あなたが自分の嫌なところばかりを見てるからなんです。
これも投影の法則。

娘が真似てるところは、あなたのいいところも悪いところもどっちもです。
でも、あなたが自分の悪いところばかりを見てる分から娘の悪いところが見えるんですね。
それで「嫌なとこばっかり似ちゃって」と思うんです。

また、自分のことを嫌っていると、娘に自分みたいになって欲しくない、という気持ちを抱きます。
だから、自分と似たような仕草を見ると、すごく不安になって、その部分を直そうとしてしまうんですね。

でも、結構似ちゃいますよね?顔もそうですし、仕草や言葉遣い、ままごとの時の役割まで。

でも、なんで、娘はあなたに似たと思いますか?
なんで、そんなところを真似たんだと思いますか?

好きだからですよね。
大好きだからですよね?

娘さんはあなたがどうであれ、大好きなんです。
ちゃんとしてる母親だからこそ、愛してくれてるんじゃなくて、そんなダメダメなママが大好きなんです。
他に変わりはいませんしね。
できないことがいっぱいあっても、あなただからこそ、娘は好きになるんです。
その思いをただ受け取ろうとしてみてください。

そして、そもそも、なぜ、あなたが娘を愛せないって悩むと思います?
それは愛してるからなんですよ。
娘がすごく大事な存在で、なくてはならない存在で、だから良いように育ってほしいと強く願っていて、だからこそ、そうできない自分に腹を立ててるんです。

だから、「娘を愛せないんです」というママに私は必ず伝えるんです。

「そんなにも娘さんのこと、愛してらっしゃるんですね」と。

だって愛情が無い人はそんなところに問題意識を持たないですから。

自分の機嫌のいい時に「ママは○○ちゃんのことが本当は大好きなんだよ。私のところに来てくれて本当に嬉しいんだよ。でも、時々ひどいこと言ってごめんね。」って伝えてください。

もし、ギュッとできそうなら、してあげてください。

義務でするのは今日限り辞めましょう。
義務であること、伝わってしまいますから。

「ごめんね。今、ギュッとしてあげられないんだ。少し我慢してね」とお願いしましょう。

きっと待ってくれます。許してくれます。

そして、こういう話をお伝えします。

今、娘さんとうまく行かなくてもいいんです。
あるママは「高校生になってようやく娘が可愛いと思えるようになったわ。それからは結構親友みたいになって何でも相談してくれるようになったし、毎年私の誕生日には自分のバイト代でプレゼントしてくれるし、すごくいい関係です。」

ママと娘はある意味一生涯付き合いが続きます。(縁が切れちゃうときもあるけれど)

だから、娘が20歳になったとき、30歳になったときの関係をイメージしながら、超気長に付き合ってみてください。

息子って思春期になれば「くそばばー」扱いでチューなんてさせてくれなくなりますし、さっさとママの元を離れてどこの馬の骨とも知らん女のところに行っちゃうわけですから子ども時代は息子の方が可愛く感じるようにできてるんです。
だから、しゃあないんです。
息子は「限定品」で、娘は「定番商品」なんですから・・・。

長期戦のつもりで行きましょう。
そして、自分自身の母系に思いを馳せつつ、今、できることから始めていきましょう。

子育ての心理学

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