息子を信用できない私もまた、父親から信用されなかった娘だった。


親子の間に連鎖する習慣は多岐にわたります。表面的な行動パターンはもちろん、内面的な感情や思考のパターンもまた見事にコピーするのです。

***
根本先生こんばんは。

いつもブログを拝見しては「やはり先生は冷蔵庫の上から私を見ているに違いない」というぐらい私の心に響きまくる言葉をいただいてます。

今回の相談は長男(8歳)のことです。
私は長男が弱音を吐くとすごく心がザワザワします。たぶん自分が幼いころに我慢をいっぱいしてきたから、そのぐらい我慢してよ!という気持ちの表れでもあるとおもうのですが、

ザワザワするというのが、たとえば「おなかが痛いから習い事を休みたい」などのSOSともとれるような言葉にすら「嘘なんじゃないか?」という疑いを持ってしまうのです。
そのせいで、息子は「信じてくれない」という気持ちが強くて、友達や弟妹とケンカしたときなどは自分の正当性を必死にアピールしてきます。(「僕は悪くない!」「弟が先に手を出したからだよ!」など、まずは怒られまいと必死に自分を守ろうとします)

私が厳しく言い過ぎてきたからだ。。。と今までの子育てを反省するとともに、子供を疑う自分が許せず、そのたびに父親のことを思い出します。

父親は、、、少しというか、結構ひねくれた部分があるんです。
というのも、父は幼いころに両親が離婚し、継母に育てられました。母から聞いた話では愛情を受けられず、実父である祖父とも分かち合えないまま育ってきました。
なので、人間関係が苦手で、表面では取り繕っても、「あいつは本当はこう思ってる」という被害者意識や、いい話などを聞くと「本当か?嘘っぽいな」など、本心ではないかもしれないけれど、疑うことで壁を作って自分を守ってるような人です。

私は幼い頃からそういう疑う父を見てきて、また、自分も疑われてきたので、父ほどではないのですが、私自身も人間関係において「この人の本心はどうなんだろう?」って裏を読もうとしてしまうんです。。。

でも、それを息子にしてしまってることがすごく悲しく、息子に対してすごく申し訳ないんです。

父が育った環境は私の息子には関係ない。なのに私の疑い深さのせいで、本当に息子を信じてやることができていない。
そのせいで息子は自分を守ることに必死になっている姿がつらいです。

今からでも息子の信用を取り戻したい。
お母さんはあなたを信じているよ、と心から言いたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
(Aさん)
***

たまには冷蔵庫の上もお掃除しましょうね。埃が溜まっゲッ、ゲホッ、ゲホッ、ハ、ハ、ハクション!いや、失礼、よろしくお願いしますのじゃ。

見事な『世代間の問題』ですね~
父から娘へ、娘から息子へと不信感が連なってきているわけですね~。

この親子間の連鎖については心の中で何が起きているのかというとAさんやほとんどの方が思っているのとちょっと違うと思った方がいいです。

「お父さんが私を疑ったから、その疑う癖を身に着けて、自分の息子を疑うようになった」

これは行動面から見た親子間の不信感の連鎖で、確かに間違いではありません。
でも、これだとお父さんが悪者になってしまいませんか?

「あいつのせいで、私が息子を疑うことになっている!!」と。

Aさんはそういう風には考えないかもしれませんが、一般的には責任転嫁しやすい状況です。

「あたしが悪いんじゃない。そもそもあたしを疑ったお父さんのせいや」って思いやすいですもの。

確かにそういう面もあります。
私たちは親の行動を見て育ちますから、親が誰かを疑う姿を見れば、子もそれを疑います。

でも、それだけではありません。

どうしたらこの連鎖を終えられるのか?というとこの行動を変えるだけでは不十分なのです。
というのも、

>私自身も人間関係において「この人の本心はどうなんだろう?」って裏を読もうとしてしまうんです。。。

これってもう癖みたいなものですよね?
知らないうちにやってるもので、気が付いたら疑ってるんですよね?
これを頑張って直そうとしてもなかなか難しいです。
こうした行動は「結果」だからです。

その「原因」を変えなきゃいけませんよね。

>でも、それを息子にしてしまってることがすごく悲しく、息子に対してすごく申し訳ないんです。

罪悪感って必ずしも悪い奴じゃないって思うんです。
それがこのAさんの一文に現れてると思うんです。
このすごく申し訳ない気持ちがあるからこそ、自分を変えよう、というモチベーションになるんですね。

罪悪感が強い=愛が強い、って私は見る人なんですけど、Aさんが息子さんに対して悲しく、申し訳ない気持ちが「原因」を変えさせてくれるんです。

さて、Aさんがお父さんから学んだのは人を疑うことだけではないんです。
その裏側にある心理を深く真似たんですね。

>父は幼いころに両親が離婚し、継母に育てられました。母から聞いた話では愛情を受けられず、実父である祖父とも分かち合えないまま育ってきました。

あら、私の親父と似てますね(^^)
うちの親父は死別でしたけど。

>なので、人間関係が苦手で、表面では取り繕っても、「あいつは本当はこう思ってる」という被害者意識や、いい話などを聞くと「本当か?嘘っぽいな」など、本心ではないかもしれないけれど、疑うことで壁を作って自分を守ってるような人です。

Aさんはこのお父さんのこうした被害者意識や疑うことだけでなく何を学んだのでしょうか?

もう一つヒントを。被害者意識や疑いを作っている思いに注目してみましょう。

両親が離婚し、継母に育てられる息子ってどんな気持ちで幼少期を過ごされたかと思います?
しかも、実父とも分かち合えないままでいる男の子。

ちょうど息子さんがいらっしゃるから分かりますよね。

もし、今、ママがいなくなってしまったらあの子はどうなるんでしょうね。
せいせいしたわあ~って思うと思います?

Aさんのお父さんの中にある気持ち。

「僕はお母さんに捨てられた。お母さんは僕のことを愛していなかったんだ。だから、僕を置いて出て行ったんだ。僕なんてその程度の価値しかないんだ。」

もし、家の事情でお母さんが泣く泣く子どもを置いて家を出たとしても、子どもにはその事情は理解できません。

僕のことが嫌いだから出て行った・・・という風に子どもは解釈してしまいます。

お母さんが出て行った後、どんな思いで過ごしていたのでしょう?
継母が来るまでは寂しく、悲しい気持ちでいっぱいだったでしょう。
継母が来てからはどうだったのでしょうか。うまく行ったのかな?

うちの親父は継母にいじめられて育ったそうです。

実父とうまく行かない間、彼は何を思い、何を感じていたのでしょう?
僕何てどうせ一人ぼっち・・・かな?

そうしてお父さんが幼少期に培ったのは「人を疑う気持ち、人を信じない気持ち」ではなく、「僕なんて愛されない」という自己不信なんじゃないでしょうか。

「自分みたいな価値のない人間、いるだけの意味がない人間は必ず人から嫌われるし、裏切られるし、捨てられるに決まってる。あいつは今は愛想よくしているが実際何を考えているのか分からん奴だ。そんないい話があるわけがない。油断しちゃならねぇ」

お父さん。
子ども時代に母親に去られ、父親とぎくしゃくするうちに、自分の価値をすっかり見失い、自己不信になっていたんじゃないかな、と思うんです。

その自己不信をAさんは見事に継いだんですね。

「自分のことが信じられないから、人を信じられない」わけです。

こんな言葉聞いたことありません?
「自分を愛せない人間が、人を愛せるわけがない」というの。
それと似てますね。

だから、潜在意識的には

「お父さんが自分のことを信じられないので、娘も自分のことを信じられず、それを見て学んだその息子もまた自分を信じられない」

という図式が成り立つのですね。

だから、ここで「お父さんを許す」という面から入っていくこともできますが、もう一つ、「自分を信じる」ということを目標とすることができるのです。

すなわち、Aさんが自分を信じられるようになれば、息子さんが自分の正当性を過剰にアピールしなくても良くなるのです。

自分を信じる・・・これまた難しいテーマですね~。
まだ、お父さんを許す・・・方が取り組みやすいと思っちゃうかもしれません。

お父さんを許す方法。
まずは、お父さんに対して思っている正直、素直な気持ちを書き出していきます。
許しのワークショップでは「恨み辛み、怒り」から「悲しみ」「罪悪感」などをお手紙します。

その後、お父さんの気持ちを理解していきます。
先ほど書いた、「お父さん、どんな気持ちだったのでしょう?」というくだりはそれに当たりますね。
そうして、お父さんの気持ちに寄り添い、共感し、そして、感謝し、愛情を示していきます。
それが大雑把な許しのプロセスです。

さて、自分を信じるにはどうしたらいいのか?
実のところ、とてもシンプルな方法があるんです。

さて、その答えを知りたい方は・・・・・こちらのページへ!!
嘘です(笑)
時々やってみたくなるんです。
単にじらしたいだけなんですけどね。
そうすると女子は喜ぶんでしょう???

「おら、早くせんか、ボケ」という声(女子)が聞こえて来たので、先に進みます。

どうして、息子さんを信じてあげたいのでしょう?
どうして、息子さんを疑う自分が嫌なのでしょう?
どうして、息子さんにもっと素直になって欲しいのでしょう?
どうして、自分のことを必死に守る息子さんを不憫に感じるのでしょう?
どうして、自分のせいで息子をこんな風にしてしまったのかと自分を責めるのでしょう?
どうして、こんなにも何とかしたいのでしょう?

その気持ちにただ素直になるだけです。
自分を信じる、とは、内なる愛とただ繋がっていることです。
自分を信じる、とは、私はこの子を命がけで愛している、ということにただ気付くだけでいいのです。

命がけで愛しているから、息子を信じたいと思います。
命がけで愛しているから、息子にはもっと自分を信じられる人になって欲しいと思います。
命がけで愛しているから、こんなにも深く罪悪感を感じます。

自分の愛に気付くだけでいいのです。
そして、その愛に自信を持ってください。

すなわち、

「私はこんなにもこの子のことが大好きで、大好きで仕方がない。
 ほんとうに愛してる。私のところに生まれてきてくれてほんとうにありがとう。」

ただ、そう思っているだけで大丈夫です。

でも、そのとき、もう一つの事実に気付きませんか?

「もしかして・・・私のお父さんも・・・同じ気持ちだった???」

もし、そこで、お父さんの愛を受け取れたら、さっきの許しのプロセスもすっ飛ばせますね。

親子はその葛藤もまた引き継ぎます。
Aさんが息子さんに対して抱いている葛藤もまた、お父さんがAさんに対して抱いていた葛藤。
Aさんが息子さんに対してこんなにも愛を持っているのは、お父さんがAさんをやはり愛したから。

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